ドラマ「アンメット」が話題!杉咲花さん「嫌われても仕方ないと思えるようになってきた」|CLASSY.
発する言葉遣いのひとつひとつが美しくて、普段から自問自答をたくさんしているんだな、という印象だった杉咲さん。“今も昔もコンプレックスがある”という彼女の乗り越え方と考え方は、私たちの悩みのヒントにもなるはずです。
以前よりは、嫌われても仕方ないと思うようになりました
争いや喧嘩が苦手で、嫌だったことを伝えるのも勇気がいるので、結構溜め込みやすいタイプ。怒りの感情や違和感を自覚するのも遅くて、ホットプレート式にじわじわと、気が付いたらすごく怒っているパターンがほとんどですね(笑)。物事が過ぎた後に、「やっぱり嫌だったな」ということもあるので、もう少し自分の感覚に敏感でありたいです。でも俳優としては、作品がよりブラッシュアップされるかもしれないと思えば、普段言えないことも言える。以前は嫌われることがとても怖かったのですが、最近は嫌われても仕方ない、と思えるようになってきました。それが実際に作品のためになっているかは分からないけれど、世に出て、自分の想像を超えたところに届く可能性を秘めているものだからこそ、責任を取りたい。だから、違和感を持ったままカメラの前に立つことはできないし、避けたいと思うんです。受け取られ方も様々なので、自分の中に答えを持っておくこともポリシーのひとつ。現時点での目指したい方向に対して、受け取った相手が感じたことに耳を澄ませていたいし、そこから得る気付きも更新していきたい。作品の反響は必ずチェックするし、どんな意見も受け入れるようにしています。ネガティブな意見に触れたときは「伝えきれなかったんだな」と落ち込みますが、指摘されるには理由があるわけで、そこは自分なりに解釈するように努めています。
人との関わりは“わからない”ことが出発点
4月スタートのドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』では、重い後遺症を抱える脳外科医・川内ミヤビを演じます。役と向き合うときも人と関わるときも思うのは、共感から外れたところで、本当の意味で他者を見つめることができるんじゃないか、ということ。分かる、分からないというのは個人の物差しだから、あまり簡単に言えない気がしています。分からないことの方が当たり前だし、分からないからこそ、相手を想像して優しくしようと思える。人との関わり合いは、“分からない”が出発点。それは役を演じる上でもそれ以外の場面でも同じ。今回の川内ミヤビという人物像も、そんなスタンスで掘り下げていきたいです。ミヤビは記憶障害という後遺症を患いながらも、自分がやりたいことに対して自分にしか出来ない関わり方を模索していく、芯の深い人。その姿は多くの人に勇気を与えるものになるんじゃないかな、と思っています。