桐蔭学園が大阪桐蔭との〝桐蔭対決〟を制す 2度目の連覇へあと2勝
第104回全国高校ラグビー準々決勝(3日、花園Ⅰ)前回優勝の桐蔭学園(神奈川)、国学院栃木、常翔学園(大阪第3)東海大大阪仰星(大阪第2)が4強入りした。桐蔭学園は選抜大会覇者の大阪桐蔭(大阪第1)に26―14で逆転勝ち。SO丹羽雄丸(たける、3年)が3トライに絡む活躍を見せた。国学院栃木は石見智翠館(島根)に12―0で勝利。5日の準決勝は抽選により国学院栃木―桐蔭学園、東海大大阪仰星―常翔学園の組み合わせに決まった。 桐蔭学園が、大阪桐蔭との別法人ながら同名の〝桐蔭対決〟を制した。SO丹羽が3トライに絡む躍動で、逆転勝利に貢献した。 「まだ準々決勝だが、今までやってきたことが報われた瞬間だった」 前半3分までに0-14とリードされた。しかし7―14の後半4分、丹羽の鋭い突破からのトライと、ゴールで追い付く。7、16分には丹羽のキックパスからWTB陣の2連続トライで勝ち越し、そして突き放した。試合開始10秒、自身のキックを相手にチャージされて先制トライを許す立ち上がりからの逆転劇。司令塔は「SOとしてパス、キックで周りを生かして。前が開いたら自分でトライを取る気持ち」と胸を張った。 丹羽は大阪で生まれ、小2から楕円(だえん)球を追った。「憧れがあった。優勝するために」と、神奈川の桐蔭学園の門をたたいた。だが一昨年11月、練習試合で左膝の前十字靱帯と半月板を痛めて手術を受け、前回大会は客席で応援した。 大阪桐蔭に7-13で敗れた昨年3月の選抜大会準決勝も不在。復帰は同6月だった。「友達が集まった大阪桐蔭に負けたら、関東に出た意味がないと思っていた」。強い覚悟で臨み、史上5校目の春冬制覇を狙ったライバルに競り勝った。 2019、20年度以来2度目の連覇へ、あと2勝。準決勝は、鉄壁の防御を誇る国学院栃木と対戦する。「大阪桐蔭に勝ったことで自信がつく。成長にもつながった。持っているスキルを全て出し切れば優勝は見えてくる」。「東の横綱」には頼もしい10番がいる。 ★データBOX 桐蔭学園は5度目の優勝へあと2勝。花園で大阪桐蔭との対決は今回が7度目で、桐蔭学園の5勝2敗となった。