ゴールドマン、さらなるドル高予想-米当局がインフレとの闘い継続で
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を据え置く一方で、他の国・地域が借り入れコストを引き下げた場合、ドル高が長期化する公算が大きいと、ゴールドマン・サックス・グループが指摘した。
カマクシャ・トリベディ、ジョセフ・ブリッグス両氏が率いるストラテジストは顧客向けリポートで「FRBが金利を据え置く一方、多くの国・地域が米国の動きを待たず国内で緩和を進めることになれば、政策の乖離(かいり)がドル高を長期化させる可能性が高い」と指摘。ストラテジストらはカナダ、英国、ユーロ圏の6月利下げを予想している。
ドルは今年、10カ国・地域(G 10)通貨すべてに対して上昇しており、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は年初から3%近く上昇している。
4月の米インフレ率が穏やかな数値となったことを受けトレーダーは先週、今年2回の利下げを織り込んでいたが、現在は再び疑問視している。スワップ市場は年内の利下げ幅として約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を織り込んでおり、初回の25bp利下げは11月と想定されている。
ウォラーFRB理事は21日、「今後3-5カ月にわたってデータが軟化し続ければ、今年末の利下げも検討できる」と述べた。一方、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、消費者物価の急激な伸びはおおむね抑制されたとの認識を示し、6月に利下げの「可能性は高い」と語った。
ゴールドマンのストラテジストらは「マクロ環境と潜在的な政策乖離(かいり)がより明確になっているところでは、金融当局は通貨の変動を抑制するためにFRBのシフトを注視している」と指摘。世界中の中央銀行がFRBよりも「早く、より積極的に」利下げをすれば、米国がインフレ目標を達成する助けになるかもしれないと付け加えた。
原題:Goldman Sees More Dollar Strength Amid Fight Against Inflation(抜粋)
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Anya Andrianova