【全文掲載】決勝戦前に聴いた曲は尾崎豊『僕が僕であるために』18歳小田凱人が金 車いすテニス試合後コメント・後編──パリ・パラリンピック第11日
ダイバーシティとか共生社会とかはよくわからない
「何かを変えていきたい」と僕は思っていて、特に「これ」というのはぶっちゃけないんですけど。ただ、僕がプレーすることで何か変化が起きて、それが僕にとっても、車いすテニスをしている人たちにとっても良い影響があるのではないかとずっと思っています。 どうせ勝つなら、勝つだけで終わらせないという気持ちは昔からありました。それがプレーだけじゃなく、「見せる」ということにも繋がると思います。プレー以外でも、僕のテニスを見てどう思ってくれるかが、すべてだと思います。 僕の評価は自分で決められないと思うんです。それは見た人が決めるもんだなと。テレビで放送する価値があるのか、お金を払って見に行く価値があるのかは、僕がどれだけ言ったって、よくわかんない試合してたらやっぱり無理です。見たいと思われる試合をこれからもしていきたい。 ──大会前から「五輪を超える衝撃を与えたい」とおっしゃってましたが。 僕が一番、やってやったなと(笑) ──次の目標について教えて下さい。 次の具体的な目標はないですね。これまでになかった感じでプレー以外もやっていきたい。新しいスタイルで人生を歩んでいきたいですね。 ──社会、あるいは世界へ伝えていきたいことがあれば教えて下さい。 ダイバーシティや共生社会については、僕はあんまりよくわかってないんですけど、それは口に出すものではなくて、僕は試合をすれば全部丸く収まると思います。何でもできちゃうと思っている。試合することで、いろんなことを変えていきたいですね。 ──金メダルをかけられたときの気持ちは。 金メダルを取ったってのもそうですし、横に(銅の)グスタボと(銀の)アルフィーがいるというのが、一番込み上げてきた感情ですね。二人とも、見よう見まねをしてやってきたし、あの二人に限らず、すべての選手のモノマネが得意なんですけど。昔からいろんな選手の真似をしてきて、合う、合わないというのをやってきて。僕のバックハンドもグスタボを見て打つようになりました。