「みかじめ料」「数百グラムの金」を要求…「靖国神社」“落書き”中国人の凶悪な素顔 それでも日本政府が逮捕できない理由
「靖国狼藉」は不問
もともと董容疑者は中国版TikTok「抖音」などを中心に活動する、日本でいう暴露系や私人逮捕系ユーチューバーとして一部で知られた存在だったという。 「ネット上の“偽造品”を告発することで名前を売り、その際に『鉄頭懲悪揚善』などのニックネームを用いたり、みずから『正義の使者』を名乗っていた。靖国神社へ落書きした理由も、昨年の東京電力福島第一原発による処理水の海洋放出に対する『抗議』だったと主張し、一部から“喝采”を浴びていました。一方で、その過激な言動から『無法行為を助長する』などの批判も絶えなかった“いわくつき”の人物です」(同) 実際、今年2月には投稿した動画の内容が“公序良俗に反する”として中国国内のSNSアカウントがすべて削除されたという。 「逮捕後、中国のSNSでは『鉄頭の化けの皮が剥がれた』などとする声が多く見られた反面、靖国神社への不法行為を咎める声はなく、現地の公安当局も靖国の一件は捜査対象にすら上げていないと聞きます。これでは“靖国への狼藉行為は罪に問われないことが証明された”とするネット上の指摘に対し、肯定するかのような誤ったメッセージを送りかねない」(同) 現地での逮捕を受け、林芳正・官房長官は28日、「法律を踏まえ適切に対応していく」と記者会見で述べたが、具体策については言及しなかった。これ以上の“逃げ得”を許さない対策の構築が急務となっている。
デイリー新潮編集部
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