ルーキー佐々木俊輔がバントミス挽回の初盗塁&V生還 母が明かす幼少期のメンタル秘話
◆JERA セ・リーグ ヤクルト0―5巨人(11日・神宮) 腹をくくって足を踏み出した。6回2死一塁。一塁走者の佐々木は思いきりよくスタートを切る。余裕を持って二塁を陥れた。プロ初盗塁。「もう必死でした。死ぬ気で走りました」。直後に小林の左前適時打でホームに生還。待望の先制点を呼び込む好走塁になった。 【写真】佐々木俊輔が「おさるのジョージ」のぬいぐるみ持参 愛称「ジョージ」を熱望 取り返したかった。両チーム無得点で迎えた2回無死一、二塁。バントを試みた佐々木は2度のファウルとなり、最後は見逃し三振に倒れ、走者を進めることができなかった。失敗を引きずりかけていたが、生き残りへの執念が闘争心に火をつけてくれた。「結果を出せなかったら、もう2軍に落とされると思ってやっている」。開き直った時、迷いも消えた。「やってしまったミスはどうしようもできないので、もう一回機会が来たら何とか打とうと思った」。6回の積極走塁だけではなく、1点リードの8回1死二、三塁では左翼へプロ初犠飛。母・文代さんが「小さい時からくよくよしたりせず、すぐ気持ちを切り替える子だった」という精神力で、試合序盤の手痛い失敗を挽回した。 開幕戦で「1番・中堅」を勝ち取ったが、外野のレギュラーを争いは継続中で、相手投手などによっての日替わりでの起用が続いている。打順もチームとして固定されていない状況だ。「バントを失敗したのは事実なので、信頼されるまで練習したい。結果を残せるようにやっていきたい」。即戦力ルーキーが勢いそのままに上昇気流へと乗っていく。(宮内 孝太)
報知新聞社