蝦名、国際舞台で存在感 転機は清水コーチとの出会い―OWS・パリの灯は近く
海や湖、川などで実施され、自然を相手にするオープンウオーター(OWS)。 女子10キロの蝦名愛梨(22)=自衛隊=が、国際舞台で存在感を示している。 【写真】世界選手権、オープンウオーター女子10キロに臨む蝦名愛梨 2月の世界選手権(ドーハ)で念願の五輪初出場を決めた後、5月の欧州カップで10位、ワールドカップ(W杯)ではトップと約4秒差の7位。「入賞しないといけないと思っていた。そこで目標を達成できてうれしい」。五輪でも入賞以上を狙えるほど急成長した。 ここまで競技力が伸びたきっかけは日体大3年の春。水泳部競泳部門の監督に就任した2016年リオデジャネイロ五輪競泳女子代表の清水咲子さんとの出会いがあった。 蝦名は長距離を専門とする競泳にも取り組んでいた。22年秋ごろから本格的に指導を受けると、ジャパンオープン女子1500メートル自由形では全国規模の大会で自身初の3位表彰台に立った。清水コーチに課されるハードな練習メニューをこなしていけば、速く泳げるという手応えを得た瞬間だった。 もっとも、コースロープで区切られたプールで泳ぐ競泳とは違い、選手同士の接触もある環境で約2時間泳ぐOWSならではの戦略もある。かつては「ただ泳げばいいという感覚」だったが、学び直した。今では海外有力選手の特長を頭に入れて駆け引きできるようになってきた。 パリ五輪本番はセーヌ川が会場となる見込み。川のレース経験は少ないが、一つずつ積み上げた自信は簡単には揺らがない。「咲子さんは(リオ)五輪で8位。入賞して並びたい」と目標を掲げる。自分を引き上げてくれた師への恩返しの思いも胸に初めての大舞台に挑む。