15三振・四死球連発も「これが鶴丸の野球です!」 鶴丸がシード校・れいめいに全員野球で粘り勝ち!ベスト8進出!【24年夏・鹿児島大会】
<第106回全国高校野球選手権鹿児島大会:鶴丸2-1れいめい>18日◇3回戦◇鴨池市民球場 【トーナメント表】夏の鹿児島大会 18日までの結果 鶴丸とれいめいは昨秋の準決勝で対戦している。このときはれいめいがサヨナラ勝ちで決勝進出と九州大会出場を決めた。鶴丸にとってはその雪辱戦だった。 4回表、鶴丸は無死二塁から二ゴロ悪送球の間に二走・加塩 大和(3年)が先制のホームを踏んだ。 7回は一死一三塁から4番・毛利 翼(3年)の内野ゴロで2点目を挙げた。 れいめいは8回裏、二死一三塁で7番・岩森 蓮(3年)の右前適時打で1点を返す。 9回は鶴丸の2番手・種子田 和諒(3年)が三者凡退で打ち取り、1点差で昨秋の雪辱を果たした。 「これが鶴丸の野球です!」。寺内 幸大主将(3年)は胸を張る。昨秋準決勝はサヨナラ負けしたれいめいに、1点差で雪辱。少ない好機をものにして、投手陣を中心に粘り強く守り抜く。鶴丸らしさが凝縮された勝利だった。 超強力なれいめい投手陣に15奪三振を喫しながら、4回にエラー、7回に内野ゴロで得点した。この2点だけで競り勝つ原動力になったのは、先発のエース松下 侑聖、リリーフの種子田、両3年生右腕の成長だ。強打のれいめいを相手に、内角を厳しく突く配球で投球を組み立て、1失点で守り抜いた。 「後ろに種子田が控えているから、信じて思い切り投げられた」と松下。遅いボールを駆使して打たせてとる。6四死球の制球難も「もう慣れました」と捕手・寺内。5回を無失点と先発の役割を果たした。 「自分のボールを信じて思い切り腕を振るだけ」と種子田。「昨秋は戦力になれずチームに貢献できなかった」悔しさをバネに力をつけた。松下が右横手の変則なら、種子田は真上から投げ下ろす角度と球威で勝負するスタイルを磨いた。今大会の3試合はいずれも2人の継投で接戦をものにした。 この4月から鶴丸OBの中村 敦副部長が投手陣を見ている。ブルペンで投球を見たり、実際にボールを受けるなど、投手出身者ならではの感覚を日頃の練習から伝授している。 「陣で戦う」意識を中村副部長は常に言い続ける。1人で投げ切ろうとせず「投手陣」で戦う。「これまで自分一人で抑えようという意識が強かったけど、今は種子田がいると信じて思い切り投げられるようになった」と松下は言う。日頃の取り組みも含めた「全員野球」(寺内主将)でつかんだ9年ぶりの夏8強入りだった。