【山口県】入園者が大幅減 総額70億円 リニューアル工事中の徳山動物園
周南市徳山動物園の2023年度の入園者が2月末現在で20万3,705人にとどまり、前年度の年間26万3,406人を大きく下回りそうだ。同園は2013年度からリニューアル事業を進めているが、21年4月に同事業の基本計画を見直して24年度までだった事業期間を32年度まで8年間延長。50億円としていた概算事業費も70億円に膨らんだが、その事業も計画よりは遅れがち。このまま、入園者数が回復せず、市の負担となっていくのか、リニューアル施設を活かしてこれまで以上に市民に愛され、市内外からの来園者を増やせるのか、岐路にたっている。
同園は1960年に開園し、100種類以上の動物を飼育、展示している。リニューアル計画ではこれまでに周南の里 里地エリア「るんちゃ♪るんちゃ」、自然学習館「ねいちゃる」、野鳥観察所、ペンギンプール、ゾウ舎、マレーグマ舎、熱帯サル舎などを完成させ、進ちょく率は45%。 計画ではその後、管理棟、極東アジアから北極圏の自然ゾーンなどを造り、南園と北園をつなぐ連絡橋も架け替える。25、26年度の連絡橋の架け替えでは民間活力導入のPFI事業の導入も準備している。しかし、管理棟は計画では22年度に建設する予定だった施設。遅れがちな要因として同園が営業しながら工事するためと説明する。 改修の間、キリンなど人気の動物が死亡したが、導入はリニューアル事業でその動物の新たな獣舎が完成してからになるという。
22年度は回復するも
近年の入園者は、スリランカゾウが来園した2013年度は32万364人だったが、その後、30万人を超えたのは15年度だけ。コロナ禍による閉園で20年度、21年度は激減し、22年度は26万3,406人に回復したが、23年度は再び減少傾向となった。 この要因として長畠和彦園長は夏の「猛暑」をあげる。今後の来場者を増やす対策としては夜間開園や動物との「ふれあいタイム、ポニーの乗馬などのイベントの充実と、植樹で木陰を増やすことや、涼しさを呼ぶミスト装置の設置を考えているという。