もはや本物の「朝ドラヒロイン」…!あの孫正義に一目置かれ《1000億円以上の株取引》で大企業の損失も穴埋め...コーエーテクモ会長の「女傑伝説」【直撃インタビュー】
孫正義が頼るカリスマ経営者
『信長の野望』などの大ヒット作を世に送り出したことで知られるゲーム会社のコーエーテクモホールディングスは4月30日、2024年3月期の決算を発表した。 【マンガ】資産800億超…「長者番付1位」になった会社員の「スゴすぎる投資術」 営業利益が前年同期比27.2%減の284億9400万円。一方、有価証券売却等による営業外収支は172億4700万円で、これを加味した経常利益は14.6%増の457億4100万円だった。 この発表を受け、SNS上では「本業の不振を得意の運用で穴埋め」「襟川恵子会長、相変わらず投資が上手」「襟川会長が有能すぎる」などと話題を呼んでいる。 もとより同社は「本業と投資の2段構えで稼ぐ企業」として有名であり、1000億円以上といわれる巨額資金の運用を一手に担う襟川恵子(えりかわけいこ)会長の手腕が業績に大きく影響してきた。 その卓越した手腕はソフトバンクグループの孫正義会長にも一目を置かれており、2021年には社外取締役として招かれた。当時、「週刊現代」は襟川氏をインタビューしていた。あの孫正義にも頼られる女傑はこれまでどのような人生を歩んできたのか。当時の取材を交えて紹介する――。
妖艶な色気を放つ「生きる伝説」
2021年6月29日、みなとみらいの一等地に建つ会社を訪れると、襟川氏は駆け足で応接室に入ってきた。首元や指には、宝石で装飾を施したアクセサリーが光を放っており、72歳(当時)とは思えない妖艶な色気を放つ。 「孫さんは20代から神童や天才と呼ばれていましたけど、とても緻密なところと幼いところを合わせ持った人。だから可愛いと思っていて『孫ちゃん』と呼んでいました」 「孫ちゃんには私の中の母性が刺激されるんです」 身振りを交えながらやや早口で語る姿は自信にあふれており、見るからにただ者ではないオーラを発している。 コーエーテクモホールディングス会長の襟川恵子氏。「シブサワ・コウ」の名で知られる天才ゲームクリエーター襟川陽一氏に比べれば一般的な知名度は低いが、職人気質の夫に代わって経営から人事、会社の資産運用まですべてに目を配ってきた同社の大黒柱だ。その豪傑ぶりについて、元社員が振り返る。 「まだうちの規模が小さい頃、1988年に任天堂のファミコン用にソフト『信長の野望』を卸すと決定したことがありました。その時も価格設定を巡って任天堂の山内溥社長(当時)とやり合っていたようです。 他のソフトの相場が5000円だったのに対して、『信長の野望』は9800円という価格だった。でも恵子さんは『自信のある商品を売り出す時に遠慮はいらない』と話されていました」