「リアシート」での時間はLSを超える レクサスLM 350hへ英国試乗 不足気味のトルク
英国では200件を超える申し込み
新しいレクサスLMを見て、英国価格が11万2995ポンド(約2102万円)もするのにワンボックス・ボディなことへ疑問をお感じなら、もしかすると「超」が付く富裕層ではないからかもしれない。これまでの考えを、改めさせるモデルだ。 【写真】「リアシート」での時間はLS以上? レクサスLMを写真でじっくり Vクラスも (111枚) 地上移動がベストな場合を除いて、大富豪はもっぱらプライベートジェットで目的地を目指す。その機内は、隅々まで最高水準の豪奢さで仕立てられている。こんな人は、自分のためだけに使える時間が貴重で、特に大切にしているものの1つだったりする。 クルマで移動する場合も、その車中でどのように過ごせるのかが、体験の最重要項目になる。見た目や運転の質感より、遥かに重んじられるはず。 そんな時、ルーフラインの低いサルーンより、もっと簡単に乗り降りできるボディの方が良いと考えても不思議ではない。心の底からリラックスできる、豊かな車内空間を欲したとしても当然だろう。 サイドウインドウはブラインドで閉じれ、運転席側と空間を仕切るキャビンディバイダーも欲しい。プライベートジェットのガルフストリームのような、豪華なシートとテーブルも必要。それ以上のデジタル技術が実装されていれば、なお良い。 2023年にレクサスはLMの受注を開始したが、既に英国では200件を超える申し込みがあり、保証金が支払われたそうだ。超富裕層のご希望へ、しっかり応えたことを示唆している。
感心するほど充実装備のラウンジシート
今回英国へ導入されたLMは、2代目。アルファードの姉妹車ではあるが、レクサスの高級への腐心ぶりは初代より増している。それは内装だけでなく、基礎骨格を乗用車と共有し、前後に独立懸架式サスペンションを備えるプラットフォームにも現れている。 LMでは、アルファード以上にシャシーを強化。サスペンションは乗り心地を改善するため専用のチューニングを受け、防音処理も入念に施されたという。 英国仕様で選べるエンジンは1択。トヨタ方式のハイブリッドが組まれた、2.5L 4気筒自然吸気のみで、システム総合の最高出力は250psがうたわれる。基本的に前輪駆動だが、四輪駆動を選ぶと、リアアクスル用に駆動用モーターが追加される。 キャビンのレイアウトは2種類から選択でき、ミニバンのような7シーターのほか、キャビンディバイダーが組まれる4シーターも指定可能。この後席には、感心するほど充実装備のラウンジシートが設えられ、背もたれは好きなだけリクライニングできる。 確かに、メルセデス・ベンツSクラスの後席、「スリーピングシート」は快適だと思う。だが、LMはほぼフルフラットにできる。ただし、安全面などの理由で走行中は推奨されていない。背もたれは少し起きていた方が、実際は快適でもある。 巨大なボディサイズとワンボックス・フォルムのおかげで、空間は広大。筆者の身長は約190cmあるが、足元の空間がもっと必要だと感じることは、微塵もなかった。