マスク氏、英首相の交代画策 検事総長時代の捜査不備を主張
【ロンドン共同】英紙フィナンシャル・タイムズは9日、トランプ次期米政権で要職に就く実業家イーロン・マスク氏が、スターマー英首相の交代を画策していると報じた。10年以上前の検事総長時代の捜査不備を理由としている。次期総選挙前に、右派ポピュリスト政党の支持を高めて与党を弱体化させ、解任に追い込む狙いという。 マスク氏は2億人以上のフォロワーを持つX(旧ツイッター)の自身のアカウントで、スターマー氏が検事総長時代に南アジア系の容疑者による白人児童への性的虐待事件を十分に捜査せず、起訴を見送ったと主張。 英メディアによると、スターマー氏はマスク氏を名指ししなかったものの「うそや偽情報を拡散する人たちは、被害者のことはどうでもよく、目立ちたいだけだ」と指摘。自身は容疑者起訴に真剣に取り組んだと訴えた。 マスク氏は排外主義を掲げるドイツの右派政党、ドイツのための選択肢(AfD)支持を表明しており、欧州では「内政干渉」と警戒が広がる。マスク氏に対する法的措置をEUに求める声も高まっている。