家族2人を失い、地震・豪雨2度の災禍を経験 棚田を守り続ける男性の1年
白尾会長 「(妻と)2人であそこが崩れ落ちるのを見てたんですよ。用水から水が湧き出るような感じ。ダーッと土砂が流れ込んで、すごかったですね。もう本当に…なす術がない。心が折れる、そんな感じ」 田んぼに水を引くための取水口にも大量の流木や土砂が流れ込み、例年であれば5月ごろから始まる千枚田での田植えも、今年は見通しが立ちません。 二重の災害で、かつての景観とにぎわいが失われた千枚田。それでも、出口さんには通い続ける理由があります。 出口さん 「小さい頃から仕事を手伝ってたうちが百姓だったもんで。だからこういうところに慣れ親しんでいるっていうか。やっぱり、復旧させたいんですよ。犠牲になった家族も色々関係してきてたんで、家族の思いも含めて、何とか復興させたい。その一心」 12月中旬、愛耕会のメンバーが集まりました。 出口さん 「オーナー皆さんにお礼文を書いて、お米と一緒に入れてあげます」 元日の地震を乗り越え、何とか収穫にこぎつけた「能登ひかり」の新米。1000枚余りある棚田のうち、作付けができた120枚分の米を、全国にいるオーナーの元に届けます。 出口さん 「愛耕会が頑張っているのをね、この米を味わってもらって、それが励みになって頑張りますんで」 Q. 出口さんにとって千枚田は? 「なんだろう…生きがいですかね」
北陸放送