ルノーF1エンジンプログラム終了に反対し、従業員がストライキへ。モンツァでの抗議運動も予定
ルノーのCEOが、F1エンジンプログラムを終了し、ビリー-シャティヨンのファクトリーのリソースを別の方向に転用すると決めたことを、従業員たちは受け入れていない。労働組合代表とルカ・デメオCEOの間で行われた話し合いは、フランスのエンジニアやメカニックたちが望んでいた結果をもたらさず、デメオCEOは、同社のエンジンプログラムを停止し、アルピーヌにメルセデスのパワーユニット(PU)を搭載し、カスタマーチームにするという決断を固守した。 【写真】ルノーCEOルカ・デメオ 従業員たちは、そのプロジェクトに対して反対する強い姿勢を示し、デメオCEOに決定を撤回させるために圧力をかけることを決めた。木曜日に発表された声明のなかで、フランスの従業員たちは、「ビリー-シャティヨンでのルノーF1エンジンプログラムを停止するプロジェクトは、当然のことながら、従業員を動揺させ続けている」とコメントした。 彼らは、ルノー社経営陣に対する最初の警告として、イタリアGPが開催される金曜日に、ストライキを実施することを決めた。イタリアGPのためにすべてのマシンとパワーユニットはすでにモンツァに到着しているため、このストライキが今週末のグランプリにおけるチームの活動に影響することはない。一方で、従業員の一部はモンツァを訪れ、サーキット内で抗議運動を行う。 従業員代表は、F1エンジンプログラム停止に反対する理由を次のように説明している。 「エンジンメーカーとして約50年の歴史と12回の世界チャンピオンタイトルを誇りながら、フランスで行われているF1活動が消滅するだけでなく、フランスの産業の卓越性が持つ国際的影響力に対する攻撃にもなる」 「グループのアルピーヌブランド・プロジェクトに疑問を呈するわけではなく、従業員は、フランスのF1エンジンを犠牲にせずにこのプロジェクトを実行できると確信している」 約100人の従業員がモンツァに到着し、ふたつのスタンドの一部を占拠して、ルノーに対して意思決定の変更を促すメッセージを記したバナーを掲げ、全員がアルピーヌのロゴ、『#ViryOnTrack』のメッセージがついたTシャツと黒い腕章を身に着けてアピールする。ピエール・ガスリーとエステバン・オコンのマシンを担当するエンジニアとメカニックのなかにも、この運動への支持を示すために黒い腕章をつけている者がいた。 フランスの情報筋によると、ルノーの取締役会から肯定的な反応がない場合、より長期的なストライキが実行される可能性もあるということで、今後のいくつかのレースにおいて、チームの参戦に影響が出るかもしれない。アルピーヌ内部に多くの緊張が生まれていることは明らかで、デメオCEOは予想していたよりも大きな問題に直面しているといえそうだ。 [オートスポーツweb 2024年08月30日]