「ポエック」上昇第2ラウンド入りへ 今8月期は前期上回る利益変化率 効果的なM&A戦略が収益拡大に寄与
【凄腕アナリスト ザ・覆面】 衆議院選を通過した東京市場は、目先のアク抜け感もあり反発に転じた。 ただ、日経平均3万9000円台からは戻り待ちの売りも多く、伸び悩む展開。日経平均寄与度が高い高株価の半導体関連株は、好悪材料が日替わりメニューの形で出てきて荒い値動きとなっている。5日の米国大統領選の投開票に続き、7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)結果発表を経て、年末年始に向けた相場の方向性も見えてきそうだ。 3月期企業を中心とする決算発表も8日に500社超が発表する最初の佳境を迎える。発表の一巡は14日。好決算銘柄は発表と同時に一度は買い進まれ、その後、急伸の一服を経て再び上昇波動を描くかどうかを見極めるのが難しい。決算プラスアルファの魅力を持っているかが、上昇第2ラウンド入りの鍵を握る。 10月15日に8月期本決算を発表した東証スタンダードの「ポエック」(9264)は、この上昇第2波入りが有望な銘柄だ。 同社はポンプなど水処理機器や産業用モーターの修理・卸販売の他、養殖設備用冷却装置の製造販売を行う「環境・エネルギー関連機器」を主力として、舶用機器、プラント機器、工作機械部品の受託製造事業の「動力・重機等事業」、スプリンクラー消火装置を主力とする「防災・安全事業」を手掛けるメーカーだ。 足元では、大型受注や新たな営業チャンネルの開拓に成功している「動力・重機等事業」の伸びが著しく、「環境・エネルギー関連機器」をしのぐセグメント利益を稼ぎ出し始めたのが特徴だ。 前8月期連結決算は前期比18・7%増収、37・7%営業増益で着地。そして、会社側の今2025年8月期連結業績見込みは、売上高105億円(前期比25・4%増)、営業利益10億円(同80・1%増)、経常利益も10億円(同76・6%増)、当期利益6億円(同98・7%増)と前期を上回る増収率と利益変化率で、連続最高益更新計画。さらに8月期末一括型の年間配当は、前期比17円増の70円に引き上げている。 ポエックの高成長は積極的なM&Aも背景にある。今年4月には多数の特許を持つ溶剤再生装置・洗浄装置メーカーの「コーベックス」に続き、7月30日には虎ノ門ヒルズや東京ミッドタウン八重洲、あべのハルカスといった超高層ビルで採用されたスプリンクラーヘッドメーカーの「アイエススプリンクラー」をそれぞれ完全子会社した。アイエススプリンクラーは24年4月期に売上高6億1700万円、営業利益1億1800万円実績の黒字会社で、今期業績にフル寄与し防災・安全事業が伸びそうだ。