加茂さくらさん告別式「すみれの花咲く頃」合唱で旅立ち 宝塚OG「大好きな先輩」「神様のような存在」
21日に肺がんのため87歳で亡くなった元タカラジェンヌで女優の加茂さくら(かも・さくら、本名大谷照子=おおたに・てるこ)さんの葬儀・告別式が25日、兵庫県・尼崎の斎場でしめやかに営まれ、親族、宝塚関係者ら約100人が参列した。 【写真あり】加茂さくらさん 通夜しめやかに お通夜より大きな写真が飾られた祭壇。タカラヅカOGや専科から加茂さんとのお別れに多くが訪れた。焼香の際にはすすり泣く声も。出棺の際にはOGら十数人が声を揃えて「すみれの花咲く頃」を大合唱し、加茂さんを見送った。 この日、東京から出席した元タカラジェンヌで女優の高汐巴は、出棺の際に大きく手を振って、最後は合掌。その後、故人との思い出話を涙ながらに披露した。 「大好きな先輩で、本当の姉の、肉親のような感じ。正直で凜(りん)として、後輩から慕われる最高のかっこいい先輩でした」と目を伏せた。加茂さんの最後の舞台となった11月19日の「入江薫サロンコンサート」。高汐はその1週間ほど前に加茂さんの病気のことを知らされた。 入院中の加茂さんは病院を抜け出し、上京して舞台に出演。ミュージカル「花のオランダ坂」で高汐が相手役を務めた。 「相手役は3回目。亡くなった眞帆志ぶきさんの代わりに歌わせていただいて。加茂さんの代表的な作品で、すごくかわいがっていただきました」 加茂さんは車イスで駆けつけながら、舞台上ではしゃんと立ち、熱唱。病を感じさせない歌声に、客席のファンのみならず、共演者も魅了されたという。「打ち掛けで歌うのは重くって。何かあったら、骨折しないかと寝られないぐらい心配でした。でも、無事に終わって。お客様も本当に喜んでくださいました」と高汐は振り返った。棺にはその時に撮ったツーショットの写真と、公演の出演者全員で撮った写真を入れた。「大スターで緊張しましたけど。やっぱり、寂しいですね」と再度、目を伏せた。 また、宝塚歌劇団専科の美穂圭子は「すごく歌がお上手で、私たちにとっては神様のような存在。ずっと歌ってくださると信じてたので寂しくて、どうしたらいいか分かりません」と語った。