アップルのWWDCをウォール街は高く評価…各社の見解を紹介しよう(海外)
シティ:「史上最高のWWDC」と評価
シティのアナリストは、「今回のWWDCでは、『一般の人々のためのAI』が紹介されたことから、久々に最高のWWDCだったと思う」と述べている。 同社によると、AI機能が今秋に利用可能になることと、「iPhone 16」の発売が相まって、iPhoneのアップグレードの「スーパーサイクル」が実現し始め、2025年の「iPhone 17」でそのピークを迎えるはずだと言う。 シティのアナリストであるアティフ・マリク(Atif Malik)は、「開発者は丸1年かけてアプリを開発することになるため、まずiPhone 16がAI対応となり、iPhone 17がスーパーサイクルの更新を促進すると予想している」と述べている。 シティはアップルへの投資判断を「買い」とし、目標株価を210ドルとした。
JPモルガン:「新興国市場のアップグレードサイクルを加速」
アップルの新しいAI機能は、「iPhone 15 Pro」と今後発売されるモデルにのみ対応する。JPモルガン(JPMorgan)のアナリストであるサミック・チャタジー(Samik Chatterjee)は、これが新興国市場で大規模なアップグレードサイクルに拍車をかけると考えている。 「iPhone 15 ProモデルでAI機能が利用できるようになることは、ある意味で下位互換性を提供するという宣伝文句に思えるかもしれないが、このことは複数の新興国市場でAI関連のアップグレードサイクルを加速させるのに役立つと我々は考えている。アップルは、これらの新興国市場でそれぞれの人口動態に基づき、消費者が購入しやすい価格であることを念頭に置いて、前世代のiPhoneラインアップにマーケティングを集中させるだろう」 チャタジーは、AI機能が今後2年間でiPhoneの大規模なアップグレードサイクルを促進するだろうというCitiの見解に同調した。 「iPhoneのアップグレードサイクルは今秋の後半に始まると予想しており、2025年のiPhone 17の発売でピークになる可能性が高い」 JPモルガンはアップルへの投資判断を「オーバーウェイト」とし、目標株価を225ドルとした。
ウェドブッシュ:「アップルの流れを変える」
ウェドブッシュ(Wedbush)のアナリストであるダン・アイブス(Dan Ives)によると、「Apple Intelligence」はアップルの膨大なインストールベースを活用してAI技術を展開し、洗練させることで、同社の「流れを変える」ものだという。 「アップルは顧客データを利用し、その上で収益化することを目指しているため、この技術はエコシステム内にとどまり、開発者はこれを利用することになる。今日はアップルにとって歴史的な日で、クック氏らは期待を裏切らなかった」 ウェドブッシュはアップルへの投資判断を「アウトパフォーム」とし、目標株価を275ドルとした。
Matthew Fox