Tomitaku エスパーダ復活計画【第5話】マスキング、ホコリの除去、脱脂etc. 塗装前の「下準備」を経て ペイント作業がスタートする!
【Tomitaku ランボルギーニ・エスパーダ復活計画 第5話】 20年間不動だったランボルギーニ・エスパーダを再生させる本企画。 板金による「ボディの修復」が終わり、「塗料の調色」も完了。前回は、塗料のノリをよくし、塗装後の剥離やヒビ割れをおさえる、「下地処理」までが行われた。 【画像20枚】念入りなマスキングと脱脂などの下準備をおこなったら、いよいよ本塗装の準備が完了だ! 今回はレストア開始から10カ月。作業はいよいよ板金塗装のクライマックス、「本塗り」に突入する。 実際に紹介するのは塗装作業の直前に行う「下準備」。塗りムラをなくし、ゴミ、ホコリをシャットアウトするプロ技に注目だ。 3月20日、晴れ。気温15℃。トミタク・エスパーダの「本塗り」は、理想的なコンディションの中、オーナーの富松拓也さん立ち会いのもとスタートした。 ホコリの侵入を防ぐために、普段は場内への「関係者以外の立ち入り厳禁」で行われる塗装作業。今回は特別に許可を得ての撮影となった。 これからの作業は、塗装ブースに移して行われる。本塗り前の必要な下準備は、マスキング、ラッカーパテ施行部の研磨、エアブロー、脱脂、ゴミやホコリの除去、補修部分へのサフェーサーの吹き付けなどで、準備作業だけでもけっこう大変。 しかし、「これまで板金や調色に費やしてきた時間に比べれば、ほんの一瞬」とPaint factory Kの小山明伸代表は話す。 専用紙を使って、塗料が乗ってはいけないガラス部分などを慎重にマスキングした後、まずはピンホール補修のために部分的に施したラッカーパテを研磨。 塗料の乗りを高める足付けを施し、塗装面の油脂分を除去する脱脂作業へと移る。
脱脂などの下準備が終わったらいよいよ本塗りがスタート。今回は色塗りが6回、クリアが2回の8回塗りを予定している。
脱脂は、塗装前の下準備の中でも特に入念に行われ、Paint factory Kでは最低でも2~3回は繰り返すそうだ。 シリコンオフをたっぷりと吹き付けて行われるため、拭くというよりも洗うイメージで、油脂分が徹底的に除去された。 エアブローで乾燥後、塗装面に付着したホコリや異物の除去が行われる。 タッククロスと呼ばれる、粘着力のある専用のクロスを用いた作業だ。ちなみにここからは、ブース内の風上となる車両の前側への立ち入りは厳禁となる。そして最後に、修正で地色が露出した部分に、希釈したサフェーサーを吹き付け、下準備が完了した。 ここからいよいよ本塗りがスタート。 気候によって本塗りの回数が変わるそうだが、色塗りが6回、クリアが2回、計8回塗りの予定。 なお、ボディの顔になるボンネットの塗装は、後日、日を改めて行う。その理由は、「一度に塗ってしまうにはボリュームがありすぎる」と小山さんは苦笑い。ボディを塗り上げるために用意されるトミタク仕様のヴェルデメタリックは、塗料の総量は8kgというかなりのものだ。 初出:ノスタルジックヒーロー 2020年6月号 Vol.199 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部
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