コメの高値が続く中、コンビニで進む"デカ盛り革命"…主要3社の「おにぎりバトル」最前線
本格志向の「王道おにぎり」を極める一方で、ジャンク系商品の開発も活発だ。チーズマグマチャーハンやヤンニョムまぜうどんなど、辛ウマ商品を展開する「やみつきフェア」の一環で、「悪魔のおにぎり」シリーズを投入。 コチュジャンとごま油の風味が強い「辛旨コーン&ツナマヨネーズ」など、挑戦的なレシピで話題を集める。 また、やみつき度ではラーメンコラボも負けてはいない。京都発祥のこってりラーメン『天下一品』をフィーチャーし、こってりスープで仕立てた炒飯おにぎりも登場。リピートしたくなる味わいが光る。 ◆【ファミリーマート】「おむすび」の名に込める矜持! 人気は「SPAM®むすび」 ファミリーマートは「おむすび」の名称にこだわりつつ、贅沢な「ごちむすび」やユニークな商品を展開している。’23年には手巻おむすびの成形機を13年ぶりに刷新し、専門店のようなふっくらとした食感を目指して全国の工場設備を一新した。 「ごちむすび」は国産コシヒカリを100%使用し、甘みや旨みを引き出す炊飯技術や加工にこだわった贅沢シリーズ。定番の「大きな鮭はらみ」や「とろさば」は食べ応えのある具材で人気を集めている。 また、「SPAM®むすび」も注目商品だ。ハワイや沖縄で定番のランチョンミートを使用し、塩気と油脂の絶妙なバランスが楽しめる。具材をたっぷり包み込む「サンドおむすび」ではサンドイッチ感覚を取り入れ、既存のおにぎりの枠を超えた新しい食体験を提案。ユニークさと品質の両立で、おむすびの新たな可能性を切り拓いている。 主要コンビニの商品をレビューし、コンビニおにぎりで進む革命を見てきた。「ドカ弁化」したおにぎりは、「一品でご飯とおかずが食べられる満足感のある商品」として消費者に訴求している様子だ。 そして、’24年11月には、ローソンが「おにぎり浅草宿六監修 こだわり味噌の豚汁」など、専門店監修の「おにぎりに合う」スープを発売した。おにぎり商品を軸に+αメニューを加える「定食化」は、時代に即した新たな提案と言えるだろう。これはバランスの良い食事を求める女性層にも響く可能性がある。 おにぎりはスープやカップ麺、サラダ、揚げ物などと相性が良く、セット購入しやすいのが魅力だ。物価上昇や節約志向も、重量化や定食化の追い風になっている。日常に寄り添いつつ、胃袋と好奇心を満たしてくれるコンビニおにぎり。時代に即した進化に注目していきたい。 ※価格は全て税込、東京都内で購入時(’24年11月下旬)の価格です。 取材。文・写真:佐々木正孝
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