「遠慮したり諦めたりしないで」 自閉症児に特化した学校の元音楽教師が、日本で音楽教室をオープン
アメリカの自閉症児・者に特化した私立学校で長年音楽教師として指導してきた男性が、日本で、音楽教室を開きました。障害の有無や年齢、経験にかかわらず楽しめるのが音楽。型にとらわれない指導方法が、たくさんの人の可能性を広げています。 【写真で見る】自閉症児に特化した学校の元音楽教師 日本で音楽教室をオープン
「みんなの音楽教室」名前に込めた思い
福岡市に去年9月にオープンした「福岡みんなの音楽教室」。5歳から70代まで、10人ほどが通っています。代表を務めるのは、上野要さん(62)。国立音楽大学でサックスを専攻、卒業後はアメリカを中心に40年近くにわたり音楽教育に携わってきました。去年帰国した上野さんは、アメリカの学校で同僚だった心理カウンセラーの妻・由美子さん(61)と2人で音楽教室を開校しました。「福岡みんなの音楽教室」という教室名に2人の思いを込めました。 森由美子さん 「障害をお持ちのお子さんの保護者は、お子さんを習い事に通わせることに対して色々 なことを考えて遠慮したり、諦めてしまったりという人が多いように思うんです。そういう方たちが楽しく、自分のペースで学んでいただける場を作りたいなと思ってこういう名前にしました」
自閉症児に特化した学校で音楽を教えていた
ふたりが務めていたのは、アメリカ・マサチューセッツ州にある「ボストン東スクール」。自閉症児・者に特化した私立学校で、上野さんは、ジャズプログラムを立ち上げジャズバンドのディレクターとして楽器やアンサンブルを指導しながら生徒たちの発表の場を作ってきました。YouTubeには、自閉症の生徒たちが上野さんの指揮でサックスやトランペットなどを演奏する様子が公開されています。自閉症の子供たちが、音楽を通して変わっていく子供たちの姿に、大きな喜びを感じてきたといいます。 上野要さん 「音楽がひとつのコミュニケーションツールになっていって、音楽をやるからこの子とつながれる、子供たちは『音楽をやったから周囲に認められた』という自信になっていきます。音楽をやってよかったなというところから、自信を持ってほしい」