前半の劣勢から感じられた桐光学園の落ち着きぶりとその源泉とは
横山杯第24回全国ユース招待サッカー大会が茨城県神栖市で開催されている。 大会3日目の27日、1stTOPの試合が行われ、グループ1位となった桐光学園と駒澤大学高等学校が対戦。3-0で桐光学園が完封勝利をおさめた。 【フォトギャラリー】駒澤大学高等学校 vs 桐光学園 一見、圧倒的な結果となったが内容的は大きな差はなかった。特に前半、駒澤大高が桐光学園を押しこみ、ゲームを支配。桐光守備陣がなんとかクリアしたシーンは少なくなかった。ただその一方で、押されっぱなしであるはずの桐光学園にある種の余裕が感じられた。 この状況に耐えれば。あるいは、いずれ得点が取れるだろうという余裕のようなものが。 「まったくチームから焦りは感じられなかった」と石橋清一ヘッドコーチ。 この落ち着きぶり、この余裕の源泉はなにか。 「試合前から、前半は失点ゼロで行こうとしたので、堅く試合を進めようとした」とゲームプランを語ったFW39丸茂晴翔は相手攻略のアイデアをチームに提示していた。 「駒澤大高は蹴ってくるチームなので、自分たちが慌てて、蹴り合いになってしまうとゴールにつながらなくなってしまう。とにかく慌てずに、落ち着かせる時間を作りつつ、点はチャンスをうかがいながら・・・蹴り合いにならないように、焦らず、みんなでやろうとした。そこで余裕を持ってプレーができた」つまり、相手のやり方に合わせるのではなく、あくまで自分たちのサッカーを通すことを第一にした。 そして「得点はどこかで自分が決めると思っていたので」とニヤリ。まさに有言実行の丸茂の得点だったといえる。 当然、いままでの経験から裏打ちされた自信から生まれたものだろうが、そこにはお互いに話し合うという素地が欠かせない。 「この大会初日、うまくいかなかったので、選手ミーティングを行い、やるべきことを整理できた。それが余裕につながった」とDF陶山。 そういえば、ハーフタイム中、選手間だけで話し合いが行われ、監督・コーチはほぼ関与していないようだった。確認するといつもそうだということ。 「この学年は明るい選手が多く、ベンチからもよく声が出るので、コミュニケーションがとりやすい」と石橋ヘッドコーチ。 指導者側が選手の自主性を尊重するとともに、十分に任せられる選手が多いことがことしの桐光学園から感じられる。 (文・写真=佐藤亮太)