引きこもりだった岩谷麻優が東京ドーム&マジソン・スクウェア・ガーデンへ「華やかさ、魅力、夢を与えて、スターダムを同性が憧れる世界に」【週刊プロレス】
“宇宙一煌く団体”を掲げるスターダム。その歩みは岩谷麻優のプロレス人生と重なる。決してトップを走ってきたわけではないが、21世紀デビュー組の日本人女子レスラーとしてただひとりの記録も残している。それは現在、WWEで活躍するASUKA、イヨ・スカイ、カイリ・セインも成し遂げていないもの。そんな岩谷はスターダムをどのような位置に押し上げたいのか。アイコンとしての使命を語ってもらった(聞き手・橋爪哲也)。 【写真集】美しき「グラレスラー」愛川ゆず季
――思い返してみると、マジソン・スクウェア・ガーデン(MSG)と東京ドームで試合した日本人女子レスラーって、岩谷選手以外にいましたかね? カイリ・セイン選手がMSGで試合してるかですけど……。 岩谷 やってないと思うんですよね。イオさん(イヨ・スカイ)は東京ドームでやってないですし。 ――となると、岩谷選手が唯一ですね。 岩谷 長与(千種)さんとかは? ――いや、そこまでさかのぼると……(ほかにブル中野。イベントプロレスでの東京ドーム出場は除く)。21世紀デビュー組では岩谷選手だけですよ。 岩谷 そうなると自分しかいないと思います。ありがたいと思います。なんか運を持ってるんですよ。実力で成り上がったとかじゃないんですよ、ほんとに。同期もみんないなくなっちゃって、自分だけ。「誰もいないから、お前やっとけ」みたいな感じで。そんなレベルなので、実力からしたら……。ほんとに運と人に恵まれてここまできたって感じですね。 ――とはいいますけど、それなりに実力がないとIWGPの名を冠したベルトは取れないですし、あのタイミングでMSGのリングに上がれるポジションにはいられませんよ。 岩谷 ほんとにプロレスラーになって貴重な経験をさせてもらってます。 ――引きこもりから抜け出したらMSG、東京ドームにに、四畳半を飛び出したら2万人、5万人が集まる世界にたどり着いたわけですからね。 岩谷 ほんとに! ――今後、スターダムをこうしていきたいという思いはありますか? 岩谷 特にないですね、ここはあえて。ありがたいことに最近、女性のお客様だったり家族連れだったり増えてきてますけど、もっともっと同性に見られたいですね。同性に見てもらって、私もスターダムのレスラーになりたいって思ってもらえるような華やかさだったり、魅力だったり、夢だったりを与えていける存在になりたいなと思ってます。 ――華やかな世界といえば芸能界や宝塚歌劇などが思い浮かびます。スターダムもそれと並ぶような憧れの世界にしていきたいと? 岩谷 そういうジャンルにしていきたいですね。最近はサイン会とかでも、「スターダムのプロテストに応募したいんですけど、どうしたらいいですか?」と言ってくれる子たちも多いから、「待ってるね~!」って声かけてます。“スターダム、未来あるな”“全然大丈夫だな”って思ってます。 (おわり) <プロフィル> 岩谷麻優(いわたに・まゆ)…1993年2月19日生まれ、山口県美弥市出身。新団体設立に伴う新人募集の記事を見て応募。スターダム1期生として2011年1月23日、新木場1st RINGの星輝ありさ戦でデビュー。2014年7月27日、名古屋大会で脇澤美穂を破って王座決定トーナメント優勝、白いベルト(ワンダー・オブ・スターダム)を獲得する。翌2015年、シンデレラ・トーナメント制覇。以後、ゴッデス・オブ・スターダム、ハイスピード、ワールド・オブ・スターダム、アーティスト・オブ・スターダム、SWA世界各王座を獲得。2018年には「5★STAR GP」優勝を果たし、2023年4月23日には横浜アリーナでメルセデス・モネを破って第3代IWGP女子王座に就き、現在も同王座を保持する。愛称は「世界に轟くスターダムのアイコン」。
週刊プロレス編集部