奥野瑛太、大学在学中に撮影した『SR サイタマノラッパー』が大ヒット。出演と思わず出向くと…メインの役に大抜擢「最初は違う役だった」
※奥野瑛太プロフィル 1986年2月10日生まれ。北海道出身。日本大学芸術学部映画学科に在学中から自主映画や小劇場で活動。2009年、映画『SR サイタマノラッパー』のMC MIGHTY役で注目を集め、映画『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』、映画『死体の人』(草苅勲監督)に主演。映画『アルキメデスの大戦』(山崎貴監督)、映画『ラーゲリより愛を込めて』(瀬々敬久監督)、連続テレビ小説『エール』、『最愛』、『JKと六法全書』(テレビ朝日系)などに出演。2024年8月17日(土)に主演映画『心平、』の公開が控えている。
芝居のこともまったくわからずに…
高校卒業後、日本大学芸術学部映画学科に進学した奥野さんは、小劇場で活動を始めたという。 「映画学科に入ったら映画に関われるかなと思っていたのですが、全然そんなこともなくて。当時の先輩たちと劇団を作って小劇場みたいなところで活動していました」 ――小劇場でお芝居を始めてみてどうでした? 「何かおもしろいものを見たいなっていう好奇心だけはあったと思いますが、小劇場はもちろん、新劇、アングラ、ミュージカルさえいわゆる舞台・演劇のことはまったく知らず。たまたま大学在学中に『先輩が下北沢の小劇場に出ているらしいよ』みたいなところで始めるんですよね。 なので、お芝居のこともまったくわからずに、すごくアングラ“チック”なことを、しかも僕たち世代のアングラ“チック”なことをイメージだけでやっているわけで、『本当にバカなすげぇ人たちがいるんだな』みたいな(笑)。 それで、『そのバカな人たちのユーモアって一体なんなんだろうな?』とか、『そのエネルギーってどこから来るんだろう?』っていうことにも興味があって。そういう人たちと一緒にいたいというのが、劇団を一緒にやっていくきっかけだったんですよね。 だから、すごくナンセンスだったりとか、それまで僕が知らなかった感覚を闇雲に浴びたい時期みたいなのがあって。それから、静かな演劇、日常のお芝居というものにハマっていったように思います。 何か変な偏見があったんだと思います。見たこともないのに、『ミュージカルって仰々しくやるんでしょう?』とか、『舞台って何か恥ずかしいよね。映画的じゃない気がする…』みたいな、今思えば逆に恥ずかしい勝手な偏見が強くて。気持ちだけは前衛的なことをしたいって、なんとなく思っていたんでしょうね(笑)。 そうこうしているうちに、『シャンプーハット』(THE SHAMPOO HAT)という劇団に出会って。すごく映像的だけど、舞台中に匂いまで伝わるようなお芝居だったので、これをやってみたいと思ったのがひとつきっかけでした」 ――劇団の活動をやりながら4年で卒業されたのですか。 「はい。『卒業してたまるもんか』みたいな先輩たちが多かったんですけど(笑)。僕自身も専攻している学科に行ってもとくに勉強することはないなと思っちゃったんですけど、国語の教職を履修してとったりとかして卒業しちゃうんですよね。俺中退しときゃ良かったなみたいなのもありながら(笑)」