裏金議員も原則公認…自民案は浮動票にどう影響? 「風」に左右されやすい衆院選鹿児島1区からは憤り、落胆の声
浮動票が多くそのときの「風」に左右されやすいと言われる衆院選鹿児島1区。自民党が裏金問題に関わった議員を原則公認とする案は投票行動にどう影響するのか。案の検討に入ったことが明らかになった4日、有権者からは憤りや落胆の声が上がった。 【写真】衆院選の鹿児島1区では浮動票の行方が注目される=4日、鹿児島市(記事と写真は関係ありません)
「がっかり」。憤るのは鹿児島市千年2丁目の自営業男性(62)。政府中枢に対し、直言を恐れない石破茂首相に期待していた。自民候補に投票してきたが、「今回は野党を推す気持ちもある」と明かす。 安倍晋三元首相のファンだったという同市荒田3丁目のパート女性(75)は「裏金問題で政府が信用できなくなった」。長年自民党を支持していた同市加治屋町の自営業男性(77)は「石破首相が悪いのではなく誰がなっても同じ。党の体質だ」と“身内”からも厳しい視線を向けられている。 石破首相も3日、低水準にとどまった支持率について「裏金の問題について国民のいろいろな思いが払拭できていない」と記者団に述べた。 立候補を予定する同区選出の自民、宮路拓馬氏(44)は裏金問題に関わっていない。宮路氏を支援する自民県議は「政治不信の声は真摯(しんし)に受け止める」とした上で、「党批判は強まるだろうが障害者支援などに地道に取り組む宮路氏の実績は揺るがないだろう」と話す。
同じく立候補を予定する立憲民主の川内博史氏(62)=比例九州=の陣営幹部の一人は「裏金事件が再燃し、有権者の不満が票に表れる」とみる。石破首相の変節について「党内融和を優先している。裏金議員の公認は、物価高で苦しむ国民に対して許されない判断だ」と強調する。 政治不信が高まり、投票率の低下も懸念される。同市上之園町の自営業女性(40)は「最後は候補者自身を見て決めたい」と淡々と話す。同市西田2丁目の無職山田貞守さん(86)は、これまで欠かさず投票してきた。「政治が動くかもしれない1票は大事にしないといけない。誰に投じるか、じっくり考える」
南日本新聞 | 鹿児島
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