「行列に並んだラーメンは美味い」と「雨の日にズブ濡れで営業に行く」は同じ…結果を出す人の「あざとい」やり方
仕事で結果を出す人は、どこが違うのか。編集者の柿内尚文さんは「目的達成というゴールのためには『プロローグ』が大切になる。たとえば、行列に並んで食べたラーメンをおいしく感じるのは、『行列に並んだ』というプロローグがあるからだ」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、柿内尚文『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。 ■食事を最高においしくする簡単な方法 問題です。 食事を最高においしくする簡単な方法とは、なんでしょうか? あなたなら、どう答えますか? 僕の回答はこうです。 「とにかくお腹をすかせること」 いくら素晴らしい料理だったとしても、お腹がすいていない状態では、そこまでおいしく食べられません(一部食通の人はそんなことはないかもしれませんが)。 おいしく食べるために大切なのは、料理の味だけでなく、そこまでのプロローグです。人生の節目というストーリーもプロローグになりますし、なによりお腹がすいていることは最高のプロローグです。 「おいしいものを食べたい!」と思った時、通常は「おいしい料理」のほうに意識が行きます。でも、実はおいしく食べたければ、食べるまでの「プロローグ」も重要なのです。 「プロローグ」とは序章とか序幕のことですが、時間のプロローグは「ゴール(目的)を盛り立てるためのプロセスストーリー」を指します。 「行列に長時間並んで」食べるラーメン。 「創業から継ぎ足した秘伝のタレ」のうなぎ。 上記の「」の部分がプロローグになって、おいしさを引き立ててくれます。食べることだけではありません。 おいしいビールを飲むためにサウナで汗をかき、のどの渇きをガマンする。 休みの日を最大限楽しむために日々の仕事をがんばる。 ■凄腕営業マンが大切にしていること 大切なのは、ゴール(目的)までの「プロローグ」。 この「プロローグ」をつくると、記憶に残るゴールが生まれます。 「プロローグ化」が時間の価値を高めてくれるのです。 営業の仕事ですごい売上を出している知人がいます。 彼に、なぜ営業成績がそんなにいいのか聞いたことがあります。 「自分は話が特別うまいわけでもなく、その場で営業先の人を盛り上げたり、その気にさせたりは苦手なんです。その代わりに自分が大切にしているのが『プロローグ』です。 営業で大切なのは、商品を売る瞬間よりも、売るまでのストーリーだと思ってます。商品を相手が買いたくなるまでのストーリーを描いて、そのストーリーを実行に移します。愚直にそれをしていたら営業成績につながったんです」 彼は、風の強い大雨の日にズブ濡れになりながら、営業先を訪ねたそうです。 その姿が営業先に響き、取引につながったことがあるそうです。 このストーリーづくりも、「プロローグ化」のひとつです。 ちょっとあざとい感じもしますが、そんな彼の姿が相手の心を動かしたのです。 プロローグ化は、ゴール(目的)を最大限に盛り上げてくれる存在です。 喜びを大きくして、記憶に残る時間をもたらしてくれる方法なのです。