日本株は反落、円安一服や中東懸念でリスク回避売り-輸出や金融安い
(ブルームバーグ): 8日の東京株式相場は反落。為替市場の円安一服に加え、中東情勢への懸念で投資家のリスク回避売りが優勢となった。自動車や機械など輸出関連株、商社株が安く、証券や銀行、保険など金融株の下げも目立つ。
TOPIXを構成する2127銘柄中、下落は1758に達し、上昇は307。売買代金上位ではレーザーテックや三菱重工業、トヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、ダイキン工業、三井物産が安い。
国慶節による大型連休明けの中国市場で上海総合指数が続伸していることも、アジア市場で投資資金が日本から中国に流れるとの警戒感にもつながっている。
楽天投信投資顧問第二運用部の平川康彦部長は、昨日までの上げは金融所得課税で円高になることに備えたトレードの巻き戻しがあったが、「日経平均4万円が近づいてくると、やれやれの売りが出ている」と指摘。また、中国株はグローバルで相当アンダーパフォームしていたため、それを取り戻す動きがあるなら、比較感で日本株の変化率の魅力は薄れているとの認識を示した。
野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストも、世界的な株高の一服に加え、政府のけん制発言で円安が落ち着きを見せ、きょうは利益確定売りが優勢だと分析。さらに中国で新たな政策が出た場合にはアジア市場の資金が中国に振り向けられやすくなり、需給的には日本株にややマイナスと話している。
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Momoka Yokoyama, Yasutaka Tamura