祖父母と兄を殺害した罪に問われている元警察官の男の裁判員裁判で、検察側は無期懲役を求刑しました。 静岡県浜松市の元警察官の男（25）は2022年3月、自宅で祖父母と兄をハンマーで殴るなどして殺害した罪に問われています。 男は初公判では起訴内容を否認しましたが、被告人質問で「別の人格による犯行」と話し、弁護側は第三者による犯行の可能性があり、男の犯行だとしても本人がコントロールできない別の人格によるものだと主張してきました。 12月4日の裁判で、検察側は「計画性があり強固な殺意は明らか。3人が殺害された結果も重大」などと指摘しました。 一方で、家族からの虐待など一定程度汲むべき事情があると無期懲役を求刑しました。 これに対し弁護側は、仮に男が犯人であっても「別の人格によるもので行動を制御できない状態だった」と無罪を主張しています。

検察側と弁護側の主張

この事件をめぐっては、当初は男も犯行を否定していましたが、その後、裁判の中で「別の人格による犯行」と話しています。 男が解離性同一性障害を患っていることに争いはありません。 検察側は解離性同一性障害があったとしても、本人の思考や感情に基づく行動に他ならないと主張しています。 一方、弁護側は一連の犯行は男のおとなしい性格とは異質で、本人がコントロールできない独立した人格があるとすれば説明がつくと主張しています。 検察側は事前に凶器を準備していて計画性があり、結果も重大とした一方で家庭内での虐待は一定程度組むべき事情などと説明し無期懲役を求刑しました。 弁護側は第三者による犯行の可能性があり、仮に犯人だとしても男が制御できない人格による犯行で無罪を主張しています。 判決は2025年1月15日に言い渡されます。