「学びの多様化学校」子どもたちが語る変化 先生を『あだ名』で呼ぶ距離感と対話…不登校克服への一歩
不登校の子どもたちを対象とした大分県玖珠町にある「学びの多様化学校」(くす若草小中学校)が開校してから8か月が経ちました。ユニークな取り組みによって、子どもたちに少しずつ変化が見られています。 【写真を見る】「学びの多様化学校」子どもたちが語る変化 先生を『あだ名』で呼ぶ距離感と対話…不登校克服への一歩 今年4月に開校した玖珠町立「学びの多様化学校」は、不登校の児童生徒を対象にした九州初の義務教育学校です。12月から校名が「くす若草小中学校」に変わり、現在、小学部5人、中学部17人の計22人の児童生徒が通っています。 学びの多様化学校 小原猛校長: 「不登校の原因は複雑多岐にわたっています。原因探しをするのではなく、子どもが安心して過ごせることにウェイトを置いています」 この日、図書室で授業を受けている児童がいました。学校では、自習室や対話室など校内の好きな場所で学習することができます。 小学5年 麻生梛結さん: 「その日その日の気分があるから、勉強したい場所を決められるのがいいです」 ■距離感と対話で生み出す安心感 学校では、子どもたちとの距離感も大切にしていて、先生たちは『あだ名』で呼ばれています。 教諭 葛城菜々美さん: 「菜々美なので“ななみん”と呼んでもらっています。前の学校までは『先生』と呼ばれていましたが、ここに来て『先生』と呼ばれたことはないです」 『野遊び』と呼ばれる時間には、子どもたちが学校近くの広場を訪れ、清掃作業を体験しました。自然の中で体を動かすことで、豊かな心を育むことが目的です。 中学3年 梅木愛花さん: 「堅苦しい授業だけではなく、いろんなことを知ることができて良かったなとも思うし、楽しいなとも思う」 登下校時には『対話』の時間が設けられ、子どもたちが輪になり、今の自分の気持ちや出来事を和気あいあいとした雰囲気の中で話し、共有します。 小学3年 村中瑛乙さん: 「きょう理科で猛さん(校長)とやったからちょっと面白かったです」 教諭 葛城菜々美さん: 「自分自身の考えを伝え、友だちの話を聞いて違いを認め合う。そういったところから温かい関係性が生まれてきていると強く感じています」