韓国・与党内部からも「尹大統領、捜査を受けるべきだ」…強硬支持層の圧力、逮捕難航
【01月03日 KOREA WAVE】韓国で憲政史上初となる現職大統領に対する逮捕状が発布されるなか、与党「国民の力」内部でもユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が捜査を受けるべきだとの声が浮上している。与党が弾劾手続きを遅らせる戦略を取る一方で、世論の目線は厳しく、ユン大統領が支持者に「最後まで戦おう」というメッセージを送ったことで、党内の空気はさらに悪化している。 国民の力のある中堅議員は2日、「正常な手続きを経て捜査を進めるのであれば、党としてそれを阻止することはできない。非常戒厳宣布という事態が発生した中で、ユン大統領が事態を収拾すべきだ」と主張した。 これまで与党は、手続き上の問題や国際的な信頼を挙げ、ユン大統領を擁護してきた。しかし、ユン大統領が側近を通じて支持者に「リアルタイムのYouTube中継を通じて皆さんの努力を見ている。一緒にこの国を守るために最後まで戦おう」とメッセージを送ったことで、党内での擁護の流れが急速に冷え込んだ。 また、国会推薦の憲法裁判官2人が新たに任命され、弾劾手続きが加速していることや、裁判所が30時間以上にわたる審査の末、逮捕状を発布した点も影響している。これは、ユン大統領に対する犯罪容疑が一定程度認められたと解釈される可能性がある。 さらに、ユン大統領が捜査手続きを拒否すればするほど、野党は攻勢を強める構えであり、与党内では「ユン大統領のためにやれることはやり尽くした」との声も上がっている。 クォン・ヨンセ(権寧世)非常対策委員長は2日、ユン大統領の逮捕に関する記者からの質問に即答を避けた。また、シン・ドンウク(申東旭)首席報道官も、逮捕状が執行された場合のユン大統領の対応について明言を避けた。 一方で、ユン大統領を支持する強硬層の反発は激しく、与党が一方的にユン大統領を擁護することも、捜査に応じるよう促すことも難しい状況だ。 一部の強硬支持者は、与党議員らに対し「なぜ官邸前や光化門広場に行って大統領を守らないのか」などの圧力をかけているようだ。また、2日には国民の力党本部に爆発物設置予告がファクスで送られ、警察特殊部隊が出動する事態が発生した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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