「しまった、闇バイトだ…」《引っ越し手伝い》《事務作業》に応募したら「半グレ」が待っていた…普通の若者が「闇バイト強盗」で人を殺すまで
「脅し」を入れる巧妙な手口
たとえば、「事務作業」と記載しておきながら犯罪用の携帯電話や銀行口座の契約をさせられたり、「引っ越しの手伝い」「荷物の運搬」などと記載されていても、実際に現場に行くと強盗犯罪を強制されたり―という例が後を絶たない。 スキマバイト大手のタイミーは、本誌の取材に対し「審査をしっかりとやっている。また、求人情報が犯罪に関わるものだったケースはこれまでに1件も確認していない」と回答している。 今回、本誌取材班は半グレ集団の構成員にも取材し、闇バイトに応募してきた若者に対して、逃げさせないように「脅し」を入れる手口を聞いた。 「まず応募してきた段階で、免許証やパスポート、保険証、学生証などの写真を送らせるのはもちろん、家族構成や親の勤務先までも聞く。 その時点では、まさか自分が闇バイトに巻き込まれるとは思っていないし、いまの子は素直なのが多いから、だいたいの奴は正直に教えてくれる。そうするといざ闇バイトだと気づかれたとしても、『全部、バラすぞ』『家族がどうなっても知らないぞ』『警察に行ったらタダじゃ済まないぞ』とちょっと凄めば、大抵の奴は観念するね。最後は『現場を飛ばない(逃げない)で一度やってくれるだけでいいよ』と優しくすれば言うことを聞く」 後編記事『なぜ「普通の若者」が「強盗・殺人」を犯してしまうのか…《闇バイト強盗団》の「人心掌握術」と「カモにされる意外な年齢」』へ続く。 「週刊現代」2024年11月9日号より
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