プロスペックを掲げたホンダ「VFR400R」 V4サウンドはレーシングスピリットの咆哮!!
ワークスマシンの技術とスタイルで大人気を獲得
2024年のEICMA(ミラノショー)で、ホンダから新規開発中の電動ターボ付きV型3気筒エンジンが公開されて注目を集めています。ホンダは1980年代からV型エンジンの市販車を販売しており、その中には今回紹介するホンダ「VFR400R」(1989年発売)もありました。 【画像】「超カッコイイ」ホンダ「VFR400R(NC30)」(1989年型)を画像で見る(12枚)
ここでV型エンジンをおさらいします。V型エンジンのメリットのひとつとして、エンジンの幅を狭くすることができます。「VFR400R」を例にすると、同排気量のライバル勢のエンジンはピストンを横4列に並べた並列4気筒で、「VFR400R」は前方2列、後方2列のV型4気筒です。これによりエンジン幅はほぼ並列2気筒並に収まっています。クランクの長さも短く、軸受が少ないことで高回転でも有利と言われています。 このエンジン幅の狭さを生かして、車体をコンパクトに設計できることも大きなメリットです。そうした理由から、現在のMotoGPなどレース専用マシンはV型4気筒エンジンが主流です。 一方、部品点数が多くなり、構造も複雑化、キャブレターやエキゾーストパイプの配置にも工夫が必要となります。簡単に言うと、並列多気筒エンジンに比べてコストが高くなり、400ccクラスのマシンには贅沢な構造だったのです。 400ccクラスのV型4気筒エンジンを初めて搭載したモデルは、1982年にホンダ「VF750セイバー」、「VF750マグナ」、「VF750F」などのV型4気筒車と共に登場した「VF400F」です。 その後、普通自動二輪クラス(いわゆる中免)は一気にレーサーレプリカブームへ突入します。 ホンダのワークスマシン「RVF750」の鈴鹿8時間耐久ロードレースでの優勝や、「RVF400」の全日本ロードレースTT-F3クラスのタイトル獲得などの活躍を追い風に、1986年に400ccクラスのV型4気筒エンジン搭載車は「VFR400R」へと進化します。