福島県内各団体、支援に温度差 燃料高やエネルギー対策 対応に苦心
15日公示、27日投開票で行われる衆院選で主要焦点となる物価高や燃料高、エネルギー対策などが、立候補予定者や政党を支援する団体の動きに影響を及ぼしている。政策実現などを目指して体制を強化する一方、党を取り巻く事情や公約の内容などで支援の動きに温度差が出ており、対応に苦心している。 資材高騰などの終わりが見えない中、福島県農業者政治連盟は「食料安全保障強化」などを公約として掲げる自民党の議席確保に向けた支援を従来以上に強めている。県内の構図が定まらない9月下旬に与党の候補者推薦を決定する異例の措置で選挙戦に備えた。JAグループが支援する与党参院議員に応援も要請する。背景には「逆風」の中の危機感があるという。担当者は「政権と近い与党の国会議員の支援が福島県の農業復興につながる」と話す。 支援団体の中には応援の鈍化を指摘する声もある。県商工政治連盟は組織的に自民党議員の支援に回る方針だが、ある商工会の役員は「インボイス制度導入で煩雑な作業が増えた上、裏金事件に不満を持つ会員も多い」と説明。これまで以上に会員への呼びかけに力を入れる。
県内の全小選挙区に候補者を擁立する立憲民主党のエネルギー関連の公約公表などを受け、支援に回る労組系団体に温度差が生じている。電機メーカー各社の労働組合でつくる電機連合福島地方協議会は原発について「代替エネルギーが確立されるまでは再稼働はやむなし」との立場を取っている。今回、立民が「原発ゼロ」に触れず「脱原発路線」が緩んだことを歓迎。各立候補予定者を推薦し、約7千人いる組合員で支援するなど距離を縮める。 一方、一部旧同盟系の労組は、重要視するエネルギー、経済関連などの政策で完全には一致できず、ある幹部は「消極的支持とならざるを得ない」と複雑な胸中を明かす。連合福島の関係者は与党候補を打ち負かすため「傘下組織による支援の濃淡をいかに最少にできるかが鍵だ」と話した。