「隆起した海岸に仮の道路を整備」4か月ぶりに国道249号通行再開
能登半島地震による大規模な土砂の崩落で通行止めが続いていた石川県輪島市の国道249号。かつて海底だった場所にう回路が設けられ、2日およそ4か月ぶりに通行が再開されました。 【写真を見る】「隆起した海岸に仮の道路を整備」4か月ぶりに国道249号通行再開 記者 「輪島から珠洲方面に向かう国道249号です。この先が大規模な地滑りで通行止めになっています。この場所を迂回する形で、これまで海底だった部分に新しく道路が作られました」 輪島市の観光名所・白米千枚田から東へおよそ500メートル離れた国道249号。能登半島地震で大量の土砂が崩落し、およそ800メートルにわたって通行できなくなっていました。 崩落した区間は今後も地滑りのおそれがあるため、国土交通省は、隆起して広がった海岸に仮の道路を整備し、住民と緊急車両に限って通行が可能になりました。 通行再開に先立ち近くの名舟漁港には住民や関係者およそ50人が集まり、国土交通省の担当者が、余震や悪天候などで通行止めの可能性があることや、道路の幅が狭い区間ではゆずり合って利用するよう呼びかけました。この区間の東側にある輪島市の南志見地区は、市役所などがある中心部と行き来する場合、これまでは能登町の山間部を経由するなど遠回りを強いられていましたが、今回の通行再開で大幅な時間短縮となります。 町の人 「うちは金沢から軽トラで3時間かかる。食べる物も買いに出られるし、あとは水道待ち」 町の人 「慣れた道だと、ここで育ったから海が見えると安心する。うち修理したい、片づけたいと気分的に行ってみようと思う」 車内の男女 「うれしい。もう最高。うれしいの一言!」 「金沢に住み始めた所。本当にうれしい!その一言!」 通行再開を歓迎しているのは地元の住民だけではありません。タクシー運転手の松浦時雄さん。土砂が崩落した現場の近くに住む親戚の家を見に神奈川県から訪れた女性を迎えに行くため、久しぶりにタクシーを走らせました。輪島市の中心部へはこれまで1時間近くかかっていましたが、道路の開通によってわずか15分に短縮されました。
神奈川から来た女性 「たまたま1か月前に飛行機をとった。そのときは道路のめどはなかったが、たまたまきょう開通ということで間に合った。びっくりした。15分くらいで来てもらえて」 震災以降、休業状態が続いている松浦さん。道路の開通を機に、ことし初めての乗客を乗せましたが、住民が安心して地元に戻るには、生活インフラの再建が急務だと訴えます。 松浦時雄さん 「初仕事。震災から初仕事。もうしばらく、2~3年は帰られないと思うし、陸運支局に休業届を出そうと思っている。私自身が家に帰って営業できるか不安。私らの所もまだ水が来ていない。早くがれきの撤去、それが先だね。そうしないとインフラ整備できない」
北陸放送