理系学生に人気の企業ランキング セガが前年47位から6位に浮上
理系学生に人気の企業といえば、かつては電機メーカーや自動車メーカーでした。しかし、産業構造の変化とともに、人気企業の傾向が変わってきており、コロナ禍以降は大きな変化が見られます。どのように変化したのか、考えられる理由について、2024年卒業見込みの大学生、大学院生を対象にした調査からひもときます。 【ランキング】理系学生に人気企業1~10位を見る
マイナビと日本経済新聞社の「2024年卒大学生就職企業人気ランキング(理系)」は、24年3月卒業見込みの大学3年生と大学院修士課程1年生の計9306人(理系男子5756人、理系女子3550人)を対象に、22年12月1日~23年3月26日に調査しました。 調査結果を分析したマイナビキャリアリサーチラボ主任研究員の宮地太郎さんは、ランキング上位にIT系企業が多く入っている点に注目しています。 「この傾向はコロナ禍以降、顕著になっています。4位Sky、5位NTTデータ、8位富士通、13位キヤノンなどがそうで、保護者世代では富士通はパソコン、キヤノンはプリンターやカメラのメーカーというイメージが強いかもしれませんが、今は両社とも顧客の課題解決のためのソフトやハード、テクノロジーを活用したトータルソリューションに力を入れています」 IT系企業の中でも、ソフトウェアやシステム開発を行う4位のSkyは、前年の7位から上がっています。1985年に設立し、初年度の売上高は640万円でしたが、22年度は約930億円に成長しています。ホームページには、経営理念として22年度に「ホワイト企業を目指します」と追加したことや、仕事をする上で「働くことが好き」という「好働力」を大切にしていることを掲げています。22年度からはIT系企業への就職を目指す学生向けに給付型奨学金の支給を始めました。 「マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査」では、就職観(何のために社会で働き、どのように社会的役割を果たすのか)について当てはまる項目として、「楽しく働きたい」(38.9%)が2位以下の項目を大きく引き離しています。こうした意識を持つ学生にとって、Skyのメッセージは魅力的に感じるかもしれません。