《ブラジル》大水害被害の南援協がクラファン呼びかけ 目標300万円、再建資金に 「心の拠り所取り戻したい」
リオ・グランデ・ド・スル州を昨年5月に襲った大水害で被災し、甚大な被害を受けた南部日系コミュニティの拠点「南日伯援護協会」(ポルト・アレグレ市、谷口浩会長)の本部施設再建に向けた日本向けのネット募金クラウドファンディング(https://for-good.net/project/1001404)が12月に始まった。300万円を目標に行い、再建資金として活用する。 同協会本部は州都ポルト・アレグレ市内で最も浸水被害が長引いた地区の一つに位置し、施設全体が1階天井部分まで約1カ月以上浸った。水害から半年以上が経つが、下水に浸った施設は悪臭が残るという。地区の住民や企業も未だ戻ってこられない、営業再開できないなどの課題がある。
加えて、再び大雨に見舞われたら再度浸水被害に遭う可能性もあることから、8月の臨時総会では本部移転が正式に承認された。 新たな移転地は未定だが、求める施設の平均価格から探ると、6千万円程度の資金が必要となる。これまでにブラジルや日本などから約3千万円の善意が寄せられたが、日が経つにつれ寄付件数は徐々に少なくなっている現状だ。 昨年7、8月に行った日系移住者らを中心とした同州の復興資金を募るクラウドファンディングには目標金額300万円に対して、150人から234万7千円の寄付が集まった。今回の目的となる「本部施設の再建」には、高齢者教室や巡回診療、婦人会、太鼓や踊り、よさこいソーランなど若手日系グループなどの被災前に行われていた活動再開に向けた願いが込められている。
同協会理事で、南部地域で巡回診療などをする医師・森口エミリオ秀幸さんは、同サイトの動画で「交流の場所、病人の方が泊まる場所が無くなってしまい、すごく困っています。日本人移住者や日系人には心の拠り所、とても必要な場所なので、皆さまよろしくお願いします」と広く協力を呼びかけている。 森口医師は、昨年5月20日付から日本経済新聞で「ブラジル日系の赤ひげ先生(https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80793100Q4A520C2EAC000/)が連載された。また「南ブラジル巡回診療・健診活動~親子三代にわかった受け継がれ~」(https://www.youtube.com/watch?v=6Rjt4MkDC-g&t=16s)という動画も公開されている。
クラウドファンディングのタイトルは「【ブラジル在住日系人のための施設】南日伯援護協会本部の建物を再建しよう」。プラットフォーム「for Good!」でタイトルを検索、またはQRコードから。期限は1月末まで。