【400cc名車解説】カワサキ「ゼファー」|空冷Zの血統を受け継いだネイキッドブームの火付け役
手に余らない性能で飽きの来ない「相棒」
1980年後半に過熱した「レプリカブーム」代も終盤にさしかかると、その勢いにも翳りが見え始める。過当競争で急激に性能のレベルが上がり、あわせて価格も高くなってしまったレーサーレプリカたちは、一般のライダーから敬遠され始めたのだ。 【写真はこちら】「ゼファー」の全体・各部・走行シーン(11枚) そんな中で1989年に登場したのがゼファー。GPZ400F譲りの空冷4気筒を往年のZを思わせる優美なフォルムのボディに搭載。コスト削減のため、タンクやサイドカバー上のロゴはステッカーという質素なバイクだった。 しかし、ゼファーはレプリカに疲れてしまったライダーにとって、背伸びせずに付き合える「ちょうどいい相棒」だったこともあり、年を追うごとにじわじわとその人気は勢いを増してゆく。そして、1990年代に入ると、このゼファーのヒットをきっかけにネイキッドブームが始まっていくのである。
オートバイ編集部