ヒューマンハブ天寧寺倉庫(福島県会津若松市の関美工堂運営) 国際デザイン賞で最優秀 社長「存在意義評価された」
漆芸品などを手がける福島県会津若松市天寧寺町の関美工堂が運営する、ものづくりや交流の拠点「ヒューマンハブ天寧寺倉庫」が、オランダ発の国際的なデザイン賞「FRAME Awards(フレームアワード)2024」のコワーキングスペース部門で最優秀に輝いた。 オランダの権威あるデザイン誌「FRAME」が毎年主催し、世界的に著名な建築家やデザイナーらが優れた空間デザインや建築、インテリアを選出している。住宅や店舗、ホテルなど計24部門あり、世界中から寄せられた作品の中から各部門ごとに上位5点が選出され、最終的に各部門の最優秀が決まった。 天寧寺倉庫は鉄骨造り2階建てで、共同利用できる漆芸工房やオフィス、キッチンなどを備える。築50年余の旧本社・倉庫を改装し2022(令和4)年11月にオープンした。会津塗の市場規模縮小や後継者育成といった課題を解決し、伝統文化を後世につなぐとともに、人と人をつなぐ交流の拠点にするというコンセプトが高い評価を受け、「素材と知識の両方で、世代を超えた循環性が生まれ、重要な物語を織りなしている」とされた。
改装は国内外で活躍する建築家・長坂常さんが代表を務めるスキーマ建築計画(東京都)が設計し、木崎鉄工建設(会津美里町)が施工した。伝統工芸品の販売コーナーやカフェもあり、人々が集う場となっている。関昌邦社長は「構造物としてだけでなく、建物の目的、存在意義が評価されたことは大変うれしい。さまざまな人が絡み合い、新たなものを生み出していきたい」と話している。