侍ジャパン・吉見投手コーチ「もちろん入ってくる」中日・金丸夢斗のWBCメンバー入り期待 だからこそ…腰痛完治の最優先を提言
野球日本代表「侍ジャパン」の吉見一起投手コーチ(40)が6日、愛知県愛西市立佐織中で開催された野球教室(ダイイチ食品主催、愛西ライオンズクラブ後援)に参加した。竜の元エースはドラフト1位の関大・金丸夢斗投手(21)に対して腰痛の完治を最優先するように提言。その上で、短期間の稼働でも2026年3月開催予定のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の候補に挙がる可能性も明言した。 中日ドラゴンズの、そして球界を担う金の卵が持つ実力を知るからこそ送るメッセージだ。「金丸投手の野球人生を考えると、しっかりと完治させてから投げてほしい。腰はごまかしがきかないし、次に故障すると怖くて投げられなくなる。我慢することが一番大事」と吉見コーチは話した。 昨年3月の欧州代表との強化試合で大学3年の金丸を招集。「プロの捕手が受けても『すごい』と言ってたし、実際に見てもすごかった。全球種のレベルが高くて、どれも勝負球になる」。ものは違う。だが5月に腰の骨挫傷を負った左腕は年内のキャッチボールを控えていた。「今が一番苦しい時期」と吉見コーチはおもんぱかった。 まずは完治。だが金丸が万全な状態であれば、日本代表クラスのボールを投げる力を秘めていることは脳内にインプット済み。必要と感じれば、短期間での活躍でも2026年のWBCメンバーに「もちろん入ってくる」と明言した。 実際に23年のWBCでは当時2年目だったオリックス・宇田川が選ばれた。22年7月に支配下登録され、シーズン19試合のみの登板だったが、150キロ超の直球と落差の大きなフォークを操り、リーグ優勝と日本一に貢献。そのまま侍のユニホームに袖を通した。「宇田川投手のような流れは十分あるし、自分の中で、頭に思い描いてない選手がぽっと出てきてくれるのが一番いいし、ありがたいですよね」。万全の金丸が持つ勢いと爆発力に期待を寄せた。 この日は中日・祖父江、岡林や広島・栗林らと野球教室に参加。抽選会で金丸のサインを引き当てた子どもには「絶対に大事に持っておくんやで」と声をかけた。不安を払拭した万全の金丸を、吉見コーチは楽しみに待っている。 吉見コーチが高橋宏の姿勢に二重丸を与えた。昨季は12勝を挙げ、最優秀防御率のタイトルを獲得した右腕が「現状では次のWBCに選ばれることはない」と危機感を抱いてシーズンオフを過ごしていることに言及。「2年連続で規定投球回を投げて、打者を圧倒してタイトルも取った。普通に投げていれば選ばれると思ってやるところで危機感を抱いて、シーズンを迎えてくれていることは安心しているところ。今季は投げる姿と球が進化しているかをしっかりと見ていきます」と話した。
中日スポーツ