広島にウクライナを重ね…娘2人と避難してきた母の思い 大統領の来日に「言葉にできない」 G7サミット開幕、望む未来は
■畳に納豆も…広島は第二のふるさとに
ただ、今では広島での生活にもなじみました。寝る時は畳の部屋で布団を敷き、納豆は子どもたちも1日1個欠かさないといいます。この春から、子どもたちは2人そろって保育園に通うようになりました。少しずつ日本語も覚えてきました。 「私は日本が好きです。嫌なところはありません。ウクライナも好きです。私は日本もウクライナも大好きなんです」とアンナさん。家族にとっては、広島も第二のふるさとになっています。
■攻撃の恐怖…夫は今もハルキウに
しかし、頭から離れず心配なのは、ウクライナに残る夫アンドリーさん(44)の存在です。 スマホの画面越しに、アンドリーさんは「やっほー、プリンセス。元気かい?」と話しかけると、エヴァちゃんは「パパ! 歯が抜けたよ! 妖精にコインをもらったの」とうれしそうに伝えました。アンドリーさんは「すごいね! 初めて歯が抜けたから、もう大きくなった証拠だね」と成長を喜びました。 ウクライナは今、法律により成人男性は出国できません。そのため、今も攻撃の恐怖にさらされているハルキウで生活を続けています。アンドリーさんは「自宅に隣接するアパートでは直撃があり、いくつかの部屋が燃え尽きました」と話します。
■「ゼレンスキー大統領は必ず日本に行くべき」
アンナさんは、夫との電話を毎日欠かさないといいます。19日にお好み焼き店を訪ねた際も、言葉を交わしました。有働キャスターが現地の状況を訪ねると、アンドリーさんは「現時点では比較的落ち着いていますが、1日5回ほど空襲警報が鳴ります」と言いました。 ――G7サミットでゼレンスキー大統領が日本に来て対面で会議をする、それについてどう思われますか? アンドリーさん 「正直言って驚きです。もしそのようなチャンスがあるのなら、ゼレンスキー大統領は必ず日本に行くべきです。ウクライナの人々はゼレンスキー大統領を全面的に支持しているので、彼の言葉はウクライナの人々の意見なんです」 アンナさんも「言葉にできないほどうれしいです。肉親が来るような気持ちで…」と話しました。 ――(G7の)リーダーたちに、どんなことを期待しますか? アンドリーさん 「毎日、多くの人が死んでいくんです。逃げることができないほど、各国はロシアに対して厳しい制裁をしてほしい。ウクライナ側は軍事的な支援を求めています」