長野県内の山岳遭難 過去最多を更新 2023年
302件・332人に
長野県警山岳安全対策課は5日、2023年の県内の山岳遭難発生件数が前年比18件増の302件、遭難者数が同22人増の332人に上り、ともに統計が残る1954(昭和29)年以降で最多だったと発表した。同課によると、夏季を中心に天候が安定していたことに加え、新型コロナ禍を経て入山者が増えたことなどが要因。準備不足に伴う道迷いや疲労で救助を要請した「無事救出者」が約4割を占め、全体を押し上げた。 【随時更新】山岳遭難 長野県内の状況一覧 これまでの最多は発生件数が13年の300件、遭難者数が18年の330人。23年は7~10月の天候が安定し、この4カ月間で全体の7割に当たる198件(207人)の遭難が発生した。死者は前年から横ばいの37人、行方不明は1人減の3人、負傷者は20人増の160人、無事救出者は3人増の132人だった。 年齢別では40歳以上が8割を占めた。滑落や転倒以外に、道迷いや疲労、持病の悪化での救助要請が頻発し、同課は「準備不足の人や、技量・経験に見合わない山に登る人が増えている。登山はリスクが伴う活動だと理解してほしい」としている。