快活・快適な電動ハッチバック ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックへ試乗 航続伸延で競争力UP!
ファミリーハッチとして丁度いい動力性能
乗員空間は、後席側で腰付近の前後長が685mm。高さ方向も含めて、このクラスのハッチバックでは平均的な広さがある。少し、閉じ込められた感があるけれど。 前席側も空間は平均レベルながら、センターコンソールの小物入れなど使い勝手は優秀。シートの座り心地は良く、ステアリングコラムの調整域が広い。メーター用モニターのカスタマイズ範囲は限定される。 内装は、シートやダッシュボードがクロスで覆われ、上質なラウンジのよう。ステアリングホイールは合成皮革が巻かれるが、本皮のようにタッチが良い。他方、ドアパネルの上部は硬いまま。アルカンターラも用いられているが、統一感はやや低いかも。 観察はこのくらいにして、発進。メガーヌ Eテックの0-100km/h加速は6.9秒、最高速度は159km/hが主張される。110km/h以上の速度域でも、パワー感は衰えにくいように感じた。 ファミリー・ハッチバックとして、丁度いい動力性能だといえる。充分に軽快で、ドライバーが求めればシャシーの能力を引き出せる。運転免許が危うくなるほど過剰ではなく、通常はトラクション・コントロールのお世話になることもない。 ドライブモードは、エコ、コンフォート、スポーツ、パーソ(パーソナル)の4種類。パドルで回生ブレーキの強さも選べる。ただし、ブレーキペダルを踏まずに済む、ワンペダル・ドライブには対応しない。 アクセルペダルの反応は、若干敏感かもしれない。だが、すぐに慣れるレベルだろう。
快活に操れるステアリング 有能なクルコン
メガーヌ Eテックを、ルノーはスポーティに仕上げたと主張する。同様な特長を掲げる競合は多いが、アップデート後のステアリングは、従来より漸進的に反応。乗り心地はしなやかでありつつ、姿勢制御も落ち着いている。 きついヘアピンカーブなどでは、ボディロールを示すとはいえ、快活に操れる。本物のスポーツ・ハッチバック、とまでは呼べないとしても。 グリップ力は高く、回頭性は鋭い。アクセルペダルを急に緩めると、スタビリティ・コントロールが介入する手前で、フロントノーズを巻き込んでいける感覚がある。全体的には、リラックス傾向の特性といえるが。 110km/hでの巡航時の車内は、基本的に静か。ソフトなシートはサポート性が高く、長時間でも疲れにくそうだ。 試乗車は20インチと大径のホイールを履いていたこともあり、ロードノイズはやや大きめだった。通常の18インチならサイドウォールが厚くなり、より静かで乗り心地も向上するはず。 運転支援システムは、クルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、車線維持支援などが標準。中級グレード以上では、車線追従機能にブラインドスポット・モニターなどが盛り込まれる、アダプティブ・クルーズコントロールを得られる。 このアダプティブ・クルコンはかなりスムーズで、車線の中央をしっかり保ってくれる。ステアリングホイールを握っていなくても、手を添えていれば認識してくれ、安楽に高速道路を移動できる。