認知症で寝たきりの母親(92)を殺害した罪に問われた息子(61)に懲役4年の実刑判決「経済的破綻を理由に無理心中を図った」 東京地裁
東京・葛飾区の自宅で母親の首を絞めて殺害した罪に問われている息子に対し、東京地裁は懲役4年の実刑判決を言い渡しました。 前原英邦被告(61)は2022年8月、葛飾区の自宅で寝たきりの状態だった母親の房子さん(92)の首をひもで絞めて殺害した罪に問われています。 これまでの裁判で前原被告側は「母から頼まれてしたことだ」として、同意殺人罪が成立すると主張しています。 きょうの判決で東京地裁は被害者の事件当時の状況について「認知症の症状は末期だったと言え、殺害を依頼する能力はなかった」と指摘。そのうえで、「被告人の生活は当時、経済的に破綻していて、生活を続けることに限界を感じて無理心中を図った。自分本位で非難に値する」としました。 一方、「母に対する愛情故の犯行とみられる面もあり、心情は相当に酌むことができる」として、懲役8年の求刑に対し、懲役4年の実刑判決を前原被告に言い渡しました。 裁判長は裁判の最後、前原被告に「しっかりと罪を償って欲しい」と呼びかけました。
TBSテレビ