拡大続くネットスーパー市場 24年はコロナ前から9割増予測 民間調べ
市場調査会社の富士経済(東京都中央区)によると、2024年の国内ネットスーパー市場は3360億円と前年と比べて11%増加する見込みだ。新型コロナ禍直前の2019年と比べると85%増となる。核家族化、共働きといった現代の生活様式に合ったサービスとして成長が続くとみられ、2025年には3710億円と23年比22%増、19年比2倍に拡大すると予測する。
食品スーパーなど流通系企業が店頭展開している商品を自社物流で配送する電子商取引(EC)サービスを対象にネットスーパー市場を調査した。店舗発送を基本とするが、補助的にセンター発送を行うサービスも含む。同市場はコロナ流行の影響で日常的なオンライン購買ニーズが高まったことから、利用者数、利用頻度、客単価が大幅に上昇し、マーケットが拡大したという。
2022年には需要の急増は一段落したものの、飲料やコメなど日常的に消費され、重量があり、かつ買い置きに適した商品を中心に市場は堅調に拡大した。また、外出機会が増えたことから自宅外からのスマートフォンでの注文が増加。コロナに関連する行動制限が解除された後も、ネットスーパーの利便性が浸透したことや、共働き世帯の増加、核家族化といったライフスタイルに合致したサービスとして引き続き市場は伸びた。
近年は楽天グループが手掛ける「楽天全国スーパー」など、ネットスーパー事業を支援するプラットフォームや流通企業向けサービスが登場したことで事業規模やエリアを問わず新規参入が活発化。人口カバー率も向上しているため、2025年の市場は23年比2割増と予測する。ただ、スポット利用を主体とするビジネスモデルのため、継続利用率が低いことが課題の一つとみられている。収益確保に向けて、ミールキットの取り扱い強化や、定期購入サービスといった消費者の継続利用を促す対策が必要としている。