「ダメ出し受ける資料」「受けない資料」決定的な差 ダメな資料は「読ませる」「見せる」がブレている
そして、シチュエーションに合った正しい種類の資料を活用することで、先ほどご紹介したような失敗体験は激減します。 ■「見る資料」には美しくする工夫が必要 ①の「じっくり、ちゃんと、読む資料」は細かい情報まで正確かつ丁寧に記載する必要があります。 作成にあたり留意することはまさに、「細かい情報まで正確かつ丁寧に記載する」以外にありません。ある意味では、工夫の要らない資料ということになります。例としては次のようなものがあります。
・企業が決算発表などで公表する正式な資料(主に配布する資料) ・企業間で契約をする際に交わす契約書や覚書 ・報告書や始末書など、細部まで正確に情報を伝達するための書類 一方で、②の「パッと、サクッと、見る資料」はそうはいきません。 ある情報を削ぎ落としたり、あるいは強調したり、色やグラフなどを活用し、見やすく、美しい資料にする必要が出てきます。つまり工夫が必要な資料なのです。例としては次のようなものがあります。
・採用活動で企業が使う概要説明資料 ・経営層に向けて行うプレゼンテーション資料 ・自社サービスの魅力を訴えるPR映像 ここで重要なのはこの2つをどう使い分けるかということです。その答えは、「読む」と「見る」という表現にあります。 読む資料とは、相手に読ませるためのものです。見る資料とは、相手に見せるために必要なものです。当たり前のことを述べているように感じるかもしれませんが、これがとても重要です。 ビジネス書を例にとってみましょう。たいていの書籍には目次があります。では、この目次は読ませるもの、あるいは見せるもの、どちらでしょうか。さらにその本の表紙(カバー)はいかがでしょうか。
「目次を読んで、買ってみようと思いました」「表紙を見て、買ってみようと思いました」といった表現が一般的であり、逆はあまり考えられません。 目次は読むもの。表紙は見るもの。書籍の製作者は、まさにこの2つの使い分けによって読者になるかもしれない誰かとコミュニケーションをし、興味を持っていただこうとしているのです。書籍を買うか買わないかはビジネスの成否そのものです。 このように、ビジネスコミュニケーションとは、「読む」ものと「見る」ものの2つを組み合わせて行う営みなのです。