英語のミーティングを成功させるポイント。英語が聴き取れない問題に、即実践できる4つの対策とは
英語を話せるようになりたい、ビジネスの場面で自分の考えを英語で伝えたい…。「使うため」の英語を身に付けるには、どのような学習法が良いのでしょうか。社会言語学者の瀧野みゆきさんは、英語を「世界の共通語」として捉え直す「ELF(English as a Lingua Franca =エルフ)」という考え方を取り入れた学習法を提案しています。そこで今回は、瀧野さんの著書『使うための英語―ELF(世界の共通語)として学ぶ』から、新しい視点の英語の学び方を一部ご紹介します。 【書影】「知っている英語」を「使える英語」に変えるための勉強法とは?瀧野みゆき『使うための英語―ELF(世界の共通語)として学ぶ』 * * * * * * * ◆ミーティングに参加するとは 英語のミーティングに参加すると言っても、単にその場にいて、英語での議論が進むのを聞いているだけなら難しくはない。しかし、積極的にその意思決定に貢献しようとすると、難易度は高まる。 英語のミーティングでは、「静かに微笑みながら、英語の議論を聴き、発言しない人」は、他からは「我々の意見を聞いて、理解し、質問も反論もしないほど、すべてに賛成している」と解釈される可能性がある。 少なくとも、欧米のミーティングでは、そうみなされても文句は言えない。質問や反論のチャンスはあったのに、言わなかったのだから。 一方、自分としては、「英語が半分も聴き取れず、話についていくのがやっと。本当は反論したかったけれど、考えをうまく英語でまとめられず、発言のタイミングもわからなくて、何も言えずに終わってしまった」と思っていたりする。このギャップを埋めたい。
◆ミーティングの課題を分解する こうした、日本人のノンネイティブの視点から見える英語のミーティングに参加する際に出会いやすい課題を分析すると、以下の6つにまとめられる。 (1)リスニングについていけない:英語が充分聴き取れないので、議論の細かい内容や、ときには全体の流れがつかめない。 (2)英語で意見を要領よく言えない:リスニングをしながら素早く自分の意見をまとめ、簡潔に英語で説明できない。言葉に詰まったり、ついつい同じことを何度も繰り返して言ってしまったりする。 (3)反論の仕方がわからない:相手の気分を害することなく、どう反論すればいいかわからない。 (4)説得ができない:相手を納得させる、説得力のある意見の言い方がわからない。 (5)発言のタイミングをつかめない:いつ、どのようにして発言したらいいかわからない。特に重要な論点で議論が白熱するほど、発言の機会をつかみにくい。 (6)相手の人となりが読み取れない:日本語のミーティングで感じ取れるようには、相手の性格やテーマへの関心度、立場が把握しにくい。あるいは、相手が何を考えているか、想像が難しい。 このような課題の対処法について「だからもっと英語を勉強しましょう」と言っても、短期的には変化は起こしにくい。また、必要な英語力の判断は個人によって違うので、本記事を参考に、自分に合ったスキルを伸ばす訓練を考えていただくといいだろう。 ここでは、すでにある程度は英語を使える前提で、現在の英語力を活かして実践できる対策を検討してみよう。