行列のできるラーメン店が【18歳未満入店禁止】を掲げる「納得のワケ」…厳しいルールへのアンチコメントも「好かれなくて構わない」
私語禁止や携帯/スマホの操作禁止など、ルールの厳しいラーメン店が話題になることがある。様々な意見があるにせよ、「ラーメンを集中して食べて欲しい」という店主の思いは推察できるだろう。 【写真】ラーメン店の「ギャル店長」、ホットパンツ姿が可愛すぎた…! そんな中、福岡県八女市にあるラーメン店では、「代表待ち禁止」「18歳未満入店禁止」など、食べている最中以外にもルールが設けられている。 さらに、SNS上ではこうしたルールへ反対する声に対して強い語気を交えて戦う様子も見られる。 なぜ、こんなルールが出来上がったのか?なぜ、SNSでも戦うのか? 店主にそのワケを聞いた。
オープン当初は今のスタイルではなかった
福岡県八女市。のどかな風景広がる県道沿いに、行列のできるラーメン店「あなたの心を鷲掴み」がある。駐車場は完備されているものの、カウンター9席しかない小さなお店である。 18歳からラーメン店で修行を積んできた三浦隆寛氏(40)が、「あなたの心を鷲掴み」をオープンさせたのは2018年6月。当初は、ほとんど行列することもなく、暇な時間帯もある店だったが、変化が見られたのが2019年の後半だという。 「帰り際に僕にお辞儀をするお客さんが増えてきて、『うちのラーメンを愛してくれる人が増えてきた』と感じていました。そして、2020年のはじめにローカルのテレビ番組で紹介されると、一気にお客さんが増えて、開店前から営業終了まで、ずっと行列しているお店になりました」 その頃までは、満席時には入り口にウェイティングボードを置き、名前と人数を記入するスタイルだった。だが、トラブルも増えてきたと三浦氏。 「書いている人数と合わなかったり、後から人数を書き変えたりというトラブルが増えました。また、名前を何度お呼びしても返答がないので、次の方をご案内したら『車で待ってたんだから呼びに来いよ!』と怒られることもありました。そこで、全員で並んでもらうことにしたんです」
代表待ち禁止の理由
ウェイティンボードを撤廃して並んでもらうことにした同店は、代表者1人が列に並び、入店の直前になって同行者が合流する「代表待ち」を禁止にしている。昨今、この代表待ちには様々な意見があるものの、駐車場が完備された田舎の店舗では、車での待機などを認めるケースも少なくないはずだ。 「極端な例ですが、例えば3人並んでいる列の4番目に並んだとします。でも、前の人が入店直前に100人連れて来たら嫌ですよね。これまで実際に、5人分の代表待ちなどはありました。9席しかない店なので、そうなると後ろのお客さんが食べられる時間が大幅に遅くなってしまう。それで禁止にしたのです」 このように、行列に関するトラブルが増加したことから代表待ちを禁止にした同店。しかし、それでもトラブルがゼロになることはなかったという。 「代表待ちで並んでいるお客さんに、並び直しをお願いすると『知らんかったけんいいだろ!ふざけるな!』とキレられるんですね。私は見た目が怖いので、強く言われることも少ないですが、一緒に店をやっている母や妹に対しては『時間を返せ!』と怒鳴って威嚇する人も多かったです」 店頭には禁止の旨が掲示されているにもかかわらず、こうしたトラブルがなくならない背景について、三浦氏は次のように話す。 「かつては福岡のラーメン屋で常に行列していたのは、いくつかの超人気店だけだったので、福岡の人には『ラーメンのために待つ』という文化がなかったと考えています。また、ここは博多の中心部から高速道路を使って1時間かかるような田舎町なので、今でも行列文化なんてありません。だから、『1人だけ待って入ればいいだろ』と判断するお客さんが多いのではないか」