坂本農相の横顔 地元紙で15年間記者
農相に就任した坂本哲志氏は、衆院熊本3区選出で当選7回。自民党の森山派所属で、菅義偉内閣では地方創生担当相を務めた。地方に明るく、党では農地政策の取りまとめ役を担った。 1950年生まれの73歳で、熊本県陣内村(現大津町)出身の農村育ち。中央大学法学部政治学科を卒業後、地元の熊本日日新聞で15年間記者として活躍。熊本県議を経て、2003年に無所属で初当選した。選挙区で対立候補だった自民公認の松岡利勝元農相が死去した後の07年、自民党に入党した。 農政では、衆院農林水産委員長の他、党野菜・果樹・畑作物等対策小委員長や畜産・酪農対策小委員長を歴任。21年には党農地政策検討委員長に就任し、農地の確保に向けた農地法制の見直しを手がけた。 前任の宮下一郎氏とは同期当選で、仲も良い。派閥会長で党農政の重鎮・森山裕総務会長の信頼も厚い。 趣味の一つがジョギングで、毎月20キロほど走るのが「体力づくりとおなかを出さないための秘訣(ひけつ)」(本人)。議員会館や党本部には車を使わず徒歩で移動する。今年の前半までは50キロ走っていたが、基本法や農地関連法制への対応が忙しく、走る時間が減ってしまったのが悩み。政治や歴史関連の本もよく読む。座右の銘は「疾風に勁草(けいそう)を知る」。苦難に直面して初めてその人の本当の強さなどが分かるという中国の故事。