イラクには礼を言わなければならない。バーレーン戦で一皮むけた森保ジャパン。見事な学びと実践だった【アジア杯】
準々決勝は強豪イランと対戦。ここが正念場だ
バーレーンがあまりアグレッシブにプレスをかけず、自陣に構えたのは、ポゼッションや集団的なロングカウンターに自信を持っていたからだろう。確かに、どちらも厄介だった。 特に3人、4人と湧き出してくるロングカウンターはグループステージでも対戦相手を苦しめており、日本も崩されかけた瞬間はあったが、起点となるFWアブドゥラ・ユスフを冨安が完璧に潰したことで、ほとんど機能させなかった。 大柄で重い相手に、体重を預けさせず、斜めから対応して足を伸ばしたり、前でカットしたり、斜め後ろに置いてオフサイドにしたりと、出色のパフォーマンスだった。遠藤も普段よりあまり前へ刈りにいかず、リバプールでプレーするアンカーのようにDFとの連係を強め、スペースをカバーした。 グループステージで日本を下したイラクには礼を言わなければならない。やはり一度失敗すると違う。森保ジャパン、見事な学びと実践だった。 準々決勝は2日空けて2月3日、強豪イランとの対戦になる。いよいよ、ここが正念場だ。各組のトップランク同士の対戦が始まるのが、この準々決勝でもあり、カタール・ワールドカップでも、ここから一気に試合のレベルが上がったことが記憶に新しい。 好プレーを見せていた旗手の怪我は残念だが、日本は良い流れできている。5年前に敗れた0-3のリベンジを期すイランを、返り討ちにしたい。 取材・文●清水英斗(サッカーライター)