グーグル、インテルにユニコーンを売却!希代の起業家が教える「新規事業の成功を見極める」技
2つのユニコーン(創業10年未満、評価額10億ドル以上の未上場企業)を生み出し、グーグルに11.5億ドル、インテルに10億ドルでイグジットしたユリ・レヴィーン氏。希代の起業家が提唱するスタートアップの基本的な考え方は「問題に恋する」ことだと言います。そんなレヴィーン氏がこれまでの経験や思考の軌跡をもとに、新規事業を成功につなげる方法を解説します。 【図】「解決策」からではなく「問題」からスタートする起業のイメージ ※本稿はレヴィーン氏の新著『Love the Problem 問題に恋をしよう ユニコーン起業家の思考法』から一部抜粋・再構成しています。
■解決に値する「大きな問題」を見つける まずは、問題を見つけることからはじめよう。解決に値するだけの問題、そして、解決できた場合には、よりよい世界になるような問題だ。 それから、「その問題を抱えているのは誰か?」を考えてみよう。 答えが「自分だけ」なら、その問題に取り組むのはやめておこう。解決に値しない問題だからだ。 地球上であなた1人しかその問題を抱えていないなら、精神科医に相談するほうがいい。そのほうが、スタートアップを立ち上げるより、ずっと安くすむ(しかも、おそらく早く解決できる)。
一方、その問題を抱えている人がたくさんいるなら、その人たちのところへ行って話を聞き、問題をどのように「認識」しているのかを理解しよう。解決策を作るのは、それからだ。 この道筋に従ったうえで、解決策が最終的に機能するものとなったら、価値を生み出せる。その価値が旅の本質となる。 しかし、解決策からはじめると、誰にも気にかけてもらえないものを作ってしまう危険がある。そこに労力や時間、お金を注ぎ込んでしまうと、がっかりするはめになるのは間違いない。
実際のところ、多くのスタートアップが消える理由は、PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成できないからだ。PMFを達成できない理由は、問題ではなく解決策にばかり目を向けているからなのだ。 問題からはじめる理由は、価値を生み出せる可能性が高くなる以外にもたくさんある。1つは、起業家が紡ぎ出すストーリーが、ずっとシンプルで人の心をつかむものになるからだ。 ストーリーを聞いた人は、起業家が抱く不満を理解し、共感してくれるようになる。