グーグル、インテルにユニコーンを売却!希代の起業家が教える「新規事業の成功を見極める」技
■「問題に恋する」ことで生まれる魅力的なストーリー 問題に恋をしている会社は、「この問題の解決に向けて、前進しているか?」と、日々自らに問いかける。「これが私たちの解決する問題です」とストーリーを語り、さらにすばらしい場合には、「私たちは、◯◯な人が、□□の問題を避ける手助けをします」と、ターゲットや問題をさらに絞り込んでいる。 その一方で、解決策に集中している会社は、「私たちのシステムは……」、あるいは、「当社は……」からストーリーを語り出す。
自社に焦点を当てると、ユーザーにつながりを感じてもらうのは非常に難しい。だが、ユーザーや問題に焦点を当てたストーリーを語ると、簡単につながりを感じてもらえる。 人は変化を恐れる。自分が長いあいだ温めてきたアイデアなら、その構想についてよく考え、掘り下げていくだけの時間はあるが、ほかの人からすれば真新しいアイデアだ。 とくに初めての起業で、まだ知名度がない場合、思いもよらない変化をもたらす提案が、否定的な反応を引き起こすことがある。人がアイデアを心地よく感じるまでには、時間がかかる。
起業とは、がむしゃらに信じることだ。犠牲を払う覚悟がないなら、つまり、今の給料や境遇、役職が手放せないなら、あなたは十分恋に落ちていない。趣味やスポーツがやめられないなら、スタートアップの旅を続ける注意力は保てない。 スタートアップを立ち上げる準備ができたとわかるタイミングはいつだろうか。それは、犠牲を払ってもかまわないと思えたときだ。それこそが最も重要な唯一の指標となる。 「今の職場で働き続けるけれど、資金が調達できたら、すぐに退職して会社をはじめる」と言っていたら、いつまで経っても起業はできない。十分なコミットメントを示していないからだ。
投資家にも、コミットしていないことは伝わる。起業家がコミットしていなくて、どうして投資家がコミットするだろうか。 ■どれだけ多くの人にとっての「問題」なのか ここでの重要なテーマは、「解決策ではなく、問題に恋をしよう」である。 問題は簡単に特定できる。誰かにその話をすると、「そうそう、私も同じ問題を抱えている!」と共感してもらえるからだ。 たいてい、その人は問題についての意見を述べ、体験したときの不満を聞かせてくれる。たくさんの人から意見を聞けば聞くほど、その問題が現実のものとして認識されていることがわかる。